当サイトの記事はすべて個人の見解であり、投資助言ではありません。必ずご自身で一次情報を確認のうえ、ご自身の判断と責任で投資を行ってください。

リース

リース会社は、顧客に貸し出すリース資産・割賦債権を社債・借入金などの有利子負債で調達するビジネスモデルが中核にあり、自己資本比率は一般の事業会社より構造的に低く、有利子負債が自己資本の数倍に達するのが通例である。市場金利の上昇は調達コストの増加という形で利益を圧迫しやすく、貸出・リース料への転嫁にはタイムラグが生じる。加えて、不動産・航空機・インフラ関連資産の売却益(アセット売却益)が四半期ごとの利益を左右しやすく、計上タイミングは市況や買い手の事情に左右されるため、個社の経営努力だけでは平準化しきれない振れが構造的に生じる。

リースセクターの見方(当サイトの整理)

個社の分析に入る前に、この産業に共通してかかる制約と、決算書のどこを見れば状態が分かるかを整理しています。

収益がどこから生まれるか
リース料・割賦債権から得る利ざや、営業資産の売却益、そして航空機・不動産・インフラといった分野ごとの事業利益。単純な物件貸出よりも、資産を保有して運用する事業投資の比重が高まっており、利益の源泉がセグメントごとに異なる。
業績を左右する外部要因
市場金利が調達コストとして直接効き、リース料への転嫁は契約更改まで遅れる。企業の設備投資意欲が取扱高を左右し、保有資産の市況(航空機の需要、不動産価格)が売却益のタイミングを決める。自社の信用格付けも調達コストを通じて業績に効く。
決算書のどこを見るか
セグメント利益と、そこに含まれる資産売却益。売却の時期は会社がある程度選べるため、四半期ごとの利益の振れは実力の変化を意味しない。有利子負債は自己資本の数倍が通常なので、水準ではなく調達の年限構成と格付けを見る。ROAは資産が重いぶん構造的に低く出る。
配当・株主還元の傾向
リース料収入という安定した基盤があるため、累進配当や配当性向の目標を掲げやすい。売却益で膨らんだ期の純利益に配当性向を掛けると、翌期に維持できない水準になるので、方針が利益のどの段階を基準にしているかを確認する。
指標を読むときの注意
自己資本比率の低さと有利子負債の大きさを、そのまま財務リスクとして読まない。事業モデル上の当然の姿である。逆にROEの高さもレバレッジによるところが大きいので、収益力の指標としては割り引いて見る。

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