当サイトの記事はすべて個人の見解であり、投資助言ではありません。必ずご自身で一次情報を確認のうえ、ご自身の判断と責任で投資を行ってください。

銀行

銀行業の業績は日銀の金融政策・長短金利差に強く連動し、個社の努力だけでは動かせない構造的な制約を持つ。預金を負債として大量に抱えるため自己資本比率は一般事業会社より低く出るのが通常で、規制上の自己資本比率(バーゼル規制)への対応も業界共通の課題になる。

銀行セクターの見方(当サイトの整理)

個社の分析に入る前に、この産業に共通してかかる制約と、決算書のどこを見れば状態が分かるかを整理しています。

収益がどこから生まれるか
貸出金利と調達金利の差から生まれる資金利益、投資信託・保険の販売や決済・法人向けソリューションの手数料(役務取引等利益)、市場部門の売買損益の3つ。国内金利が上がる局面では、預金という巨大で低コストの調達基盤がそのまま利ざやの拡大に効く。
業績を左右する外部要因
日銀の政策金利と長短金利差が最も強く効く。景気後退は貸倒れ(与信費用)として遅れて表面化する。株式相場は政策保有株の売却益と保有有価証券の含み損益の両面に効き、金利上昇局面では保有債券に含み損が生じる。
決算書のどこを見るか
本業の利益である業務純益、与信費用、政策保有株の売却益を分けて見る。純利益が伸びていても中身が株式の売却益なら翌期には再現しない。健全性は会計上の自己資本比率ではなく、規制上のCET1比率(バーゼル規制)で見る。保有有価証券の含み損は自己資本の実質的な目減りとして効く。
配当・株主還元の傾向
累進配当や配当性向の目標を中期経営計画で掲げる企業が多く、それが実質的な下限として機能している。政策保有株の削減で得た資金を自社株買いに充てる流れも定着しており、還元は配当と自社株買いの合計で見る必要がある。
指標を読むときの注意
自己資本比率が一桁でも財務が悪いわけではない。預金が負債に立つ業態の当然の姿で、一般事業会社の基準で比べる意味がない。PBRが1倍を割りやすいのも同じ構造から来ており、割安さの指標として単独では使えない。

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