エネルギー資源
原油・天然ガスの探鉱・開発・生産(E&P)や、電力・都市ガスの製造販売を担う産業。需要は経済活動や気温に左右され、供給網は中東など特定地域の地政学リスクに晒される。個社の営業努力だけでは動かせない市況・為替・地政学という外部要因の比重が大きい。
エネルギー資源セクターの見方(当サイトの整理)
個社の分析に入る前に、この産業に共通してかかる制約と、決算書のどこを見れば状態が分かるかを整理しています。
- 収益がどこから生まれるか
- 原油・天然ガスなど資源の探鉱・生産・販売、または発電・ガス供給によって稼ぐ。上流(E&P)は市況(原油・LNG価格)と生産量、下流(電力・ガス)は販売量と燃料調達コストの差が利益を決める。
- 業績を左右する外部要因
- 原油・天然ガス価格と為替が業績を直接左右する。中東情勢など地政学リスクによる調達コスト・供給網の変動が先行指標になりうる。政府のエネルギー政策・環境規制も中長期の制約になる。
- 決算書のどこを見るか
- 特別損益(投資有価証券売却益・減損など)やデリバティブ評価損益が四半期の純利益を大きく振れさせやすいため、経常利益・純利益と本業の営業利益の差に注目する。探鉱費や資産除去債務など、この業種特有の勘定科目もチェックする。
- 配当・株主還元の傾向
- 配当性向を目安とする会社が多く、市況が良い期に特別利益で期末配当を積み増す傾向がある。市況の反動で減配リスクもあるため、期初予想と実績の乖離を毎期確認する必要がある。
- 指標を読むときの注意
- PERは市況ピーク時の一時的な高利益を分母にすると過小評価に見えやすく、逆に市況低迷期は当期赤字でPERが算出不能になることもある。自己資本比率だけでなく、実際のキャッシュ創出力(営業CF)も併せて見る必要がある。