四半期分析食品・飲料2026/12期 Q2

サントリービバレッジ&フード(2587) 為替が生んだ増収増益、為替中立では営業減益-5.4%

2026/08/25 公開2026/08/25 更新6分で読了対象決算:2026年12月期 第2四半期(中間)

本記事をお読みになる前に

本記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は有価証券報告書等の公開情報にもとづく分析ですが、正確性・完全性を保証するものではなく、将来の株価や業績を約束するものでもありません。投資判断は必ずご自身で情報を確認し、責任をもって行ってください。本記事はあくまで参考情報としてご利用ください。

生成AI利用本記事は、決算短信・有価証券報告書などの一次情報をもとに、生成AIを用いて作成・編集しています。掲載する数値は一次情報との照合を行っていますが、誤りが含まれる可能性を排除できません。重要な数値は必ず出典元の原典でご確認ください。

サントリービバレッジ&フード株式会社

東証プライム 2587 ・ 12月期決算

2026/08/25 時点

株価

4,602円

時価総額

14,220億円

配当利回り

2.61%

年間120円

PER

16.0倍

PBR

1.05倍

ROE

6.7%

ROA

3.9%

純利益ベース

自己資本比率

59.0%

配当性向

41.7%

有利子負債

160億円

D/Eレシオ

0.01倍

有利子負債÷自己資本

※ 指標は記事執筆時点のスナップショットです。最新の数値はご自身で証券会社等の情報をご確認ください。

この記事の結論

  • 2026年12月期中間期は売上収益+11.6%・営業利益+3.0%の増収増益で着地したが、会社が開示する為替中立ベースでは売上収益+5.4%・営業利益-5.4%であり、報告ベースの増益は円安による押し上げが主因である。
  • セグメント別では、日本事業が数量増と価格改定効果でセグメント利益+16.8%と好調だった一方、欧州事業は為替中立ベースで-16.6%の減益となった。工場再編に伴う一過性費用の増加とフランスの消費低迷が背景にある。
  • 2026年7月の令和8年熊本地震で製造委託先の熊本工場等に一部被害が生じたが、通期業績予想(営業利益155,000百万円)は2026年8月6日の中間決算時点で据え置かれており、影響の詳細は調査中である。
  • 予想PER15.98倍・実績PBR1.05倍という水準を、為替に依存した見た目の伸びと見るか、円安環境下での実質的な収益拡大と見るかで評価は分かれる。
目次11項目
  1. 1. 概要
  2. 2. 会社概要とビジネスモデル
  3. 3. 業績の推移
  4. 4. 増収増益の実相 — 報告ベースと為替中立ベースの乖離
  5. 5. 配当の推移
  6. 6. 会社の現状と直近の動き
  7. 7. 業界とセクターの状況
  8. 8. 今後のスケジュール
  9. 9. 想定されるカタリスト
  10. 10. 想定されるリスク
  11. 11. まとめ:どう判断材料にするか

1. 概要

サントリービバレッジ&フード(2587)は、2026年8月25日終値4,602円時点で、予想PER15.98倍(会社予想EPS288.03円ベース)・実績PBR1.05倍(2026年6月末BPS4,382.73円ベース)・予想配当利回り2.61%(会社予想の年間配当120円ベース)という水準にあります。自己資本比率は2026年6月末で59.0%です。

同社は2026年8月6日、2026年12月期第2四半期(中間期)決算を発表しました。売上収益は899,879百万円で前年同期比+11.6%、営業利益は73,965百万円で同+3.0%と、数字だけを見れば増収増益です。

ただし、この伸び率をそのまま「事業の実力が伸びた」と読むのは早計です。決算短信は為替の影響を取り除いた為替中立ベースの数値も開示しており、そちらでは売上収益+5.4%に対し営業利益は-5.4%の減益、親会社所有者に帰属する中間利益に至っては-6.3%の減益です。海外売上収益比率が約6割に達する同社では、円安が円換算後の数字を押し上げる一方、現地通貨ベースの実力とは乖離が生じます。この報告ベースと為替中立ベースの差が、今回の決算を読むうえでの中心的な論点です(詳細は第4節)。

なお同社は2026年前半に「サントリー食品インターナショナル株式会社」から現社名「サントリービバレッジ&フード株式会社」へ社名変更しています。事業内容・証券コード(2587)に変更はありません。また、2026年7月の令和8年熊本地震により製造委託先の熊本工場等に一部被害が発生した旨も決算短信に記載されており、この点は第6節・第10節で扱います。

2. 会社概要とビジネスモデル

サントリービバレッジ&フードは、サントリーグループの飲料・食品事業を担う中核上場会社です。国内では「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」「GREEN DA・KA・RA」などのブランドでミネラルウォーター・コーヒー・茶系・炭酸・スポーツ飲料を展開しています。海外は2013年の英GSK飲料事業(Lucozade・Ribena)買収を起点に、フランスのOrangina、ベトナム・タイでのPepsiボトリング事業(アジア)、オセアニア、米州へと展開を広げました。

セグメントは地域別に「日本」「欧州」「アジア」「オセアニア」「米州」の5区分です。2026年中間期の外部顧客向け売上収益は日本360,091百万円、欧州211,943百万円、アジア169,600百万円、オセアニア60,011百万円、米州98,233百万円で、海外4セグメントの合計は539,787百万円と、連結売上収益899,879百万円の約60.0%を占めます。この海外売上比率の高さは、国内食品各社の中でも相対的に高い水準にあります。会計基準はIFRS(国際会計基準)を採用しており、日本基準の決算短信でおなじみの「経常利益」という区分はIFRSには存在しません。

強みと弱みの整理

強み

  • 海外売上比率の高さによる分散

    海外4セグメント(欧州・アジア・オセアニア・米州)の合計売上収益が連結の約60.0%を占め、特定市場への依存を分散させています。2026年中間期はオセアニアの売上収益が前年同期比+69.7%(為替中立でも+49.0%)と急拡大しました。

  • 日本事業の数量増・価格改定効果

    日本事業の2026年中間期セグメント利益は21,325百万円で前年同期比+16.8%。5セグメント中もっとも大きく伸びており、決算短信によれば数量増加と価格改定効果が寄与しています。

  • 極めて低い有利子負債の水準

    有利子負債(社債及び借入金ベース)は2026年6月末で16,013百万円、自己資本1,354,262百万円に対するD/Eレシオは0.01倍と、財務レバレッジは非常に低い水準です。

  • 累進的な配当運用の実績

    2022年12月期は期初予想78円から実績80円へ、2024年12月期は期初予想110円から実績120円へと、期末にかけて増額修正した実績が過去にあります。

弱み

  • 為替依存の増収増益

    2026年中間期の報告ベースの伸び(売上収益+11.6%・営業利益+3.0%)に対し、会社開示の為替中立ベースでは売上収益+5.4%・営業利益-5.4%です。円安による押し上げがなければ、営業利益は現地通貨ベースでは減益だったことになります。

  • 欧州事業の一過性費用とフランスの消費低迷

    欧州セグメント利益は2026年中間期に30,267百万円で前年同期比-6.6%、為替中立ベースでは-16.6%の減益です。工場再編に伴う一過性費用の増加とマーケティング費用の増加、フランスの消費低迷が背景にあります。

  • 熊本地震の影響が未確定

    2026年7月の令和8年熊本地震で製造委託先の熊本工場等に一部被害が発生しましたが、決算短信の時点では業績への影響の詳細は調査中とされています。

  • 厚い自己資本の裏返しとしての資本効率

    自己資本比率59.0%という厚い財務基盤は安全性の高さを示す一方、予想ベースのROEは6.67%にとどまります。自前の資本を厚く積み上げている分、資本効率の面では見劣りする面があります。

3. 業績の推移

売上高(左軸) 営業利益(右軸) 会社予想
00500,00050,0001,000,000100,0001,500,000150,0002,000,000200,0002022/122023/122024/122025/122026/12単位:百万円
自己資本比率(%)40506059.3
数値で確認する
決算期売上高営業利益経常利益純利益自己資本比率
2022/121,450,397139,68882,317
2023/121,591,722141,72682,743
2024/121,696,765160,24993,495
2025/121,715,438148,73988,72359.3%
2026/12会社予想1,826,000155,00089,000
単位:百万円。出典:決算短信(2024〜2026年)・株探(Kabutan)集計(2022〜2023年)

読み取れることは3つあります。

第一に、売上収益は2022年12月期の1,450,397百万円から2026年12月期予想の1,826,000百万円まで、5期連続で増収が続いています。前期比で見ても、2023年12月期+9.7%、2024年12月期+6.6%、2025年12月期+1.1%、2026年12月期予想+6.4%と、伸び率に強弱はあるものの一貫してプラスです。

第二に、営業利益は売上収益ほど滑らかには伸びていません。2024年12月期の160,249百万円をピークに、2025年12月期は148,739百万円へ前期比-7.2%の減益となりました。2026年12月期は155,000百万円(同+4.2%)まで回復する予想ですが、これは2024年12月期のピーク水準にはまだ届いていません。純利益も同様の形で、2024年12月期93,495百万円から2025年12月期88,723百万円へ-5.1%減益し、2026年12月期は89,000百万円(同+0.3%)とほぼ横ばいの回復予想です。

第三に、IFRS(国際会計基準)を採用しているため、日本基準でいう「経常利益」に相当する区分はこの表に含めていません。

なお、二次情報サイトのIR BANKでは、2026年12月期(予)について非支配持分を含む合計当期利益110,500百万円を使って算出したとみられるEPS表示(357.61円程度)が出ることがあります。しかし会社が実際に開示している予想EPSは288.03円で、これは親会社所有者に帰属する当期利益89,000百万円をベースにしたものです。過去の実績年ではIR BANKの当期利益・EPSも親会社帰属ベースと一致していますが、予想年だけこの基準のズレが生じています。本記事のfinancialsは一貫して親会社所有者帰属ベースで統一しています。

4. 増収増益の実相 — 報告ベースと為替中立ベースの乖離

2026年12月期第2四半期(中間期)の売上収益は899,879百万円(前年同期比+11.6%)、営業利益は73,965百万円(同+3.0%)、親会社所有者に帰属する中間利益は42,075百万円(同+2.3%)でした。数字だけを見れば増収増益ですが、この伸び率をそのまま実力の向上と読むのは早計です。

会社自身が開示する為替中立ベースの数値

決算短信は、為替変動の影響を取り除いた「為替中立ベース」の増減率も開示しています。それによると、2026年中間期の売上収益は前年同期比+5.4%、営業利益は-5.4%、親会社所有者に帰属する中間利益は-6.3%です。報告ベースの営業利益+3.0%と為替中立ベースの-5.4%の間には、8ポイント以上の差があります。海外売上収益比率が約60.0%に達する同社では、円安が円換算後の数字を押し上げる効果が大きく、現地通貨ベースでは営業利益・純利益とも減益だったことになります。

アサヒグループホールディングス(2502)との違い

同じくIFRSを採用する食品・飲料大手のアサヒグループホールディングス(2502)も、2026年中間期は報告ベースの中間利益(+68.8%)と実力ベースの指標(事業利益+1.5%)の間に大きな乖離がありましたが、その主因は日本・東アジアセグメントに計上されたとみられる一時的な特殊要因(資産売却・減損等)でした。一方、サントリービバレッジ&フードの場合、報告ベースと為替中立ベースの差を生んでいるのは特殊要因ではなく、純粋な為替の影響です。決算短信からは一時的な特殊損益の計上を示す記載は確認できず、両社の増益の「かさ上げ要因」は性質が異なります。

セグメント別に見ると、日本は好調・欧州は苦戦

セグメント別のセグメント利益では、日本が21,325百万円(前年同期比+16.8%)ともっとも大きく伸びました。決算短信によれば、数量増加と価格改定効果が寄与しています。一方、欧州は30,267百万円(同-6.6%、為替中立ベースでは-16.6%)と、5セグメント中もっとも大きく落ち込みました。工場再編に伴う一過性費用の増加とマーケティング費用の増加、フランスの消費低迷が背景です。アジアも為替中立ベースでは-9.3%、米州も-6.1%と、日本以外の主要セグメントは為替中立ベースでおおむね減益基調にあります。オセアニアはセグメント利益が5,241百万円(同+156.2%、為替中立ベースでも+106.2%)と唯一大きく伸びていますが、事業規模自体が他セグメントに比べて小さい点には留意が必要です。

これらを踏まえると、2026年中間期の増収増益は、日本事業の数量増・価格改定効果という実質的な伸びと、円安による押し上げという為替効果が混ざり合った結果であり、欧州を中心とする海外セグメントの為替中立ベースの減益は、この決算の裏側にある弱さです。どちらの側面を重く見るかで、決算の評価は変わります。

5. 配当の推移

決算期期初予想年間配当期初比配当性向
2022/1278円80円+2円30.0%
2023/1280円80円0円29.9%
2024/12110円120円+10円39.7%
2025/12120円120円0円41.8%
2026/12会社予想120円120円41.7%
  • 2022/12:期初予想78円から期末に増額し、実績80円(+2円)で着地。
  • 2024/12:期初予想110円を期中に112円へ一次修正した後、期末にさらに増額し実績120円(期初予想比+10円)で着地。
  • 2026/12:中間配当60円は実績確定済み。期末配当60円は2026年2月12日公表の予想で、8月6日の中間決算発表でも据え置かれている。
1株当たり。「期初比」は期初予想に対する着地の差。 出典:決算短信「配当の状況」(2025〜2026年)、IR BANK集計(2022〜2024年)

2022年12月期は期初予想78円から期末にかけて増額し、実績80円(+2円)で着地しました。2024年12月期はさらに大きな増額修正の例で、期初予想110円を期中に112円へ一次修正した後、期末にはさらに増額し実績120円(期初予想比+10円)で着地しています。この「期初は保守的に出し、期末に増額修正する」という配当運用のパターンが、過去に複数回見られます。

2025年12月期は年間配当120円(中間60円・期末60円)で、前期からさらなる増額はありませんでした。2026年12月期は、中間配当60円(実績確定済み)・期末配当60円(予想)の合計120円が予想されており、この予想は2026年2月12日の公表から8月6日の中間決算発表まで据え置かれています。予想配当利回り2.61%は、この120円の会社予想にもとづくもので、そのまま使える数字です。

2022年・2024年に見られた期末増額のパターンが今期も繰り返されるかどうかは、2027年2月中旬に予定される通期決算まで確定しません。過去に増額修正の実績があるからといって、今期も同様になるとは限らない点には注意が必要です。

6. 会社の現状と直近の動き

財政状態 — 有利子負債とD/Eレシオ

2026年6月末の総資産は2,294,954百万円、資本合計は1,473,667百万円、親会社所有者に帰属する持分(自己資本)は1,354,262百万円で、自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は59.0%です。2025年12月末(総資産2,218,015百万円、自己資本比率59.3%)と比べ、資産・資本ともに増加した一方、自己資本比率はわずかに低下しています。

有利子負債(貸借対照表の「社債及び借入金」流動・非流動の合計)は、2025年12月末の15,456百万円(流動14,950百万円+非流動506百万円)から、2026年6月末には16,013百万円(流動15,543百万円+非流動470百万円)へ増加しました。決算短信からは、この増加の具体的な理由までは確認できませんでした。自己資本も同時に増加したため、D/Eレシオ(有利子負債÷自己資本)は2025年12月末・2026年6月末とも0.01倍とごく低い水準で横ばいです。なお、この有利子負債の範囲には使用権資産65,201百万円に対応するリース負債(貸借対照表の「その他の金融負債」に含まれる)は含んでいません。リース負債を含めればD/Eレシオはこの数値よりも高くなる点に留意してください。

キャッシュ・フロー

中間期累計の営業活動によるキャッシュ・フローは71,169百万円の収入で、前年同期の41,973百万円から増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは33,850百万円の支出(前年同期40,486百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは27,949百万円の支出(前年同期13,368百万円の支出)で、現金及び現金同等物の中間期末残高は159,817百万円(前年同期145,882百万円)となりました。

熊本地震の影響

決算短信の将来予測情報によれば、2026年7月の令和8年熊本地震により、同社が清涼飲料の製造を委託しているサントリー九州熊本工場等において一部に被害が発生しました。会社は業績への影響を含め詳細を調査中としており、2026年8月6日の中間決算発表の時点では、2026年2月12日に公表した通期業績予想への変更は行われていません。次回の第3四半期決算で、この影響が数値としてどう表れるかが確認ポイントです。

7. 業界とセクターの状況

飲料・食品業界には、個社の努力だけでは動かせない構造的な制約がいくつかあります。

第一に、為替の感応度です。海外売上収益比率が約6割に達する同社のような企業では、進出先各国の通貨と円の換算レートが、実態の事業成長とは無関係に決算の見た目を左右します。今回の中間決算でも、為替一定ベースの数値(売上収益+5.4%、営業利益-5.4%)と円換算後の数値(売上収益+11.6%、営業利益+3.0%)には大きな差が生じています。海外飲料比率の高さは食品・飲料各社で差があり、国内中心の同業他社と比べると、同社は構造的に為替の影響を受けやすい部類に入ります。

第二に、原材料・エネルギーコストの市況です。コーヒー豆や砂糖などの農産物、PETボトルなどの包装資材、エネルギーコストは国際商品市況や為替に左右され、個社の調達努力だけでは吸収しきれない振れ幅があります。

第三に、価格転嫁のタイミングと幅です。最終製品の値上げは、小売・自動販売機・業務用など各チャネルとの価格交渉力に依存するため、コスト上昇分をいつ・どれだけ販売価格に転嫁できるかは個社の努力だけでは決まりません。2026年中間期の日本事業のセグメント利益増加には、価格改定効果が寄与しています。

第四に、各国の規制・税制です。欧州を中心に、糖分課税や広告規制などの公衆衛生施策が導入・強化される国があり、こうした制度変更のタイミングは個社の努力では動かせません。

これらの構造の中で、海外事業の拡大によって得られる成長機会と、為替変動リスクをどこまで許容できるかが、業績の見え方を左右する軸になっています。

8. 今後のスケジュール

2026年11月上旬(予定)当サイト推定

2026年12月期 第3四半期 決算発表

過去の発表時期からの推定。2026年7月の熊本地震による製造委託先工場の被害が、業績にどの程度・どの費目で影響したかを数値で確認できる最初の機会。

2027年2月中旬(予定)当サイト推定

2026年12月期 通期 決算発表

過去の発表時期からの推定。

2027年5月上旬(予定)当サイト推定

2027年12月期 第1四半期 決算発表

過去の発表時期からの推定。

2027年8月上旬(予定)当サイト推定

2027年12月期 第2四半期(中間) 決算発表

過去の発表時期からの推定。

発表日はいずれも過去の傾向からの推定で、確定日は同社IRサイトで確認してください。特に2026年11月上旬に予定される第3四半期決算は、熊本地震の影響が数値にどう表れるかを確認できる最初の機会です。

9. 想定されるカタリスト

時期想定イベント蓋然性方向
2026年11月上旬(予定)2026年12月期 第3四半期決算両面

熊本地震による製造委託先工場の被害が業績にどの程度影響したかを数値で確認できる最初の機会。欧州セグメントの為替中立ベースの回復度合いも焦点。

随時為替相場(ユーロ・英ポンド・米ドル等)の変動両面

海外売上収益比率は約6割に達しており、円安が続けば報告ベースの増収増益が拡大する一方、円高に転じれば為替中立ベースの減益がそのまま表面化しうる。

2026年内(時期未定)欧州事業の工場再編に伴う一過性費用の一巡上振れ

欧州セグメント利益の為替中立ベース-16.6%の一因である工場再編費用が一巡すれば、セグメント利益率の改善が見込める。

2027年2月中旬(予定)2026年12月期 通期決算・配当確定両面

据え置かれている通期業績予想(売上収益1,826,000百万円・営業利益155,000百万円・親会社所有者帰属当期利益89,000百万円)と配当予想120円が上振れ・下振れいずれで着地するかが焦点。過去には期末に配当を増額修正した実績もある。

10. 想定されるリスク

為替依存のリスク。 第4節で見た通り、2026年中間期の増収増益(売上収益+11.6%・営業利益+3.0%)は、為替中立ベースでは営業利益-5.4%・親会社所有者帰属中間利益-6.3%です。円高に転じれば、報告ベースの数字も為替中立ベースに近づき、見た目の伸びは大きく縮小する可能性があります。

欧州事業の収益力低下のリスク。 欧州セグメント利益は前年同期比-6.6%、為替中立ベースでは-16.6%の減益です。工場再編に伴う一過性費用が一巡すれば改善が見込めますが、フランスの消費低迷が長期化すれば、収益力の低下がより構造的な問題に転じる可能性があります。

熊本地震による未確定な業績影響のリスク。 製造委託先の熊本工場等に一部被害が発生し、会社は詳細を調査中としています。通期業績予想は据え置かれていますが、影響の規模や期間は今回の決算短信からは確認できません。

資本効率のリスク。 自己資本比率59.0%という厚い財務基盤の裏返しとして、予想ベースのROEは6.67%にとどまります。D/Eレシオも0.01倍と極めて低く、財務レバレッジをほとんど使っていない状態です。安全性は高い一方、資本効率の改善余地という観点では見劣りする面があります。

11. まとめ:どう判断材料にするか

2026年12月期中間期は、売上収益+11.6%・営業利益+3.0%という増収増益で着地しました。しかし会社自身が開示する為替中立ベースでは、売上収益+5.4%に対し営業利益は-5.4%の減益です。この差の背景には、海外売上収益比率が約60.0%に達する同社の構造上、円安が円換算後の数字を押し上げているという事情があります。セグメント別でも、日本事業の数量増・価格改定効果による好調さと、欧州事業の一過性費用・フランス消費低迷による苦戦が同居しています。

一方で、通期業績予想(売上収益1,826,000百万円・営業利益155,000百万円・親会社所有者帰属当期利益89,000百万円)と配当予想120円は、2026年2月12日の公表から本日の中間決算まで据え置かれています。2026年7月の熊本地震による製造委託先工場の被害についても、現時点では業績予想への反映は行われていません。

判断が分かれるのは、報告ベースの増収増益と、為替中立ベースの減益のどちらを「実力」として重視するかという一点です。為替中立ベースの営業利益-5.4%を実力の目安とするなら、予想PER15.98倍・実績PBR1.05倍という水準は、円安効果を割り引いて評価する必要があります。逆に、報告ベースの増収増益や通期予想の据え置きをそのまま評価するなら、現在の株価水準は緩やかな成長を織り込んだ妥当な水準とも見なせます。

次の確認ポイントは、2026年11月に予定される第3四半期決算です。熊本地震による影響が数値としてどの程度出るか、また欧州セグメントの為替中立ベースの減益が縮小しているかどうかが焦点になります。

この記事の見立てが外れたと判断する条件

以下のいずれかが起きた場合、本記事の整理は前提から崩れます。買うかどうかを判断する際は、 強気材料と同じだけこちらも見てください。

  • 2026年11月上旬に予定される第3四半期決算で、熊本地震による製造委託先工場の被害が営業利益ベースで具体的な減益要因として計上され、2026年2月12日公表の通期業績予想(営業利益155,000百万円)が下方修正された場合。為替とは別の要因で本記事の整理が崩れる。
  • 欧州セグメントの為替中立ベースのセグメント利益が、2026年中間期の-16.6%からさらに悪化し、通期でも二桁のマイナスが続いた場合。工場再編費用の一過性という前提が崩れ、フランスの消費低迷が構造的な問題に転じていることになる。
  • 通期配当予想120円(期末60円)が減額修正された場合。2022年12月期・2024年12月期に見られた「期初保守的・期末増額」という配当運用の実績が、今期については当てはまらなかったことになる。
  • 円が対ユーロ・対米ドルで大きく増価(円高)に転じ、報告ベースの売上収益・営業利益の伸び率が為替中立ベースの伸び率(売上+5.4%・営業利益-5.4%)を下回る、あるいはマイナスに転じた場合。円安に依存した増収増益という本記事の整理が、より厳しい形で裏付けられることになる。

よくある質問

サントリービバレッジ&フードの配当は100株でいくらになりますか?
2026年12月期の年間配当予想は1株120円(中間60円は実績確定済み、期末60円は予想)です。100株保有の場合、 年間配当額は税引前で12,000円になります。
サントリー食品インターナショナルとサントリービバレッジ&フードは同じ会社ですか?
はい、同じ会社です。2026年前半に「サントリー食品インターナショナル株式会社」から 「サントリービバレッジ&フード株式会社」へ社名変更しました。証券コード2587は変更されていません。
2026年7月の熊本地震はサントリービバレッジ&フードの業績に影響していますか?
同社が清涼飲料の製造を委託しているサントリー九州熊本工場等の一部に被害が発生し、会社は業績への影響を 含め詳細を調査中としています。2026年8月6日時点で、2026年2月12日公表の通期業績予想への修正はまだ 行われていません。次回の第3四半期決算(2026年11月上旬予定)で影響が数値に反映されるかが焦点です。

参考文献・引用元

  1. 01
    サントリービバレッジ&フード「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」

    2026年8月6日開示。連結経営成績(売上収益・営業利益・税引前中間利益・中間利益・EPS)、 セグメント別実績(日本・欧州・アジア・オセアニア・米州、為替中立ベースを含む)、財政状態 (総資産・資本合計・自己資本比率・社債及び借入金)、要約中間連結財政状態計算書、キャッシュ・フロー 計算書、配当の状況、通期業績予想、熊本地震に関する将来予測情報を参照。 / 2026/08/06 開示

  2. 02
    IR BANK「サントリービバレッジ&フード(2587) 会社業績・財務状況」

    二次情報。有利子負債(社債及び借入金ベース)の推移を参照した。2026年12月期(予)の当期利益・EPS表示は 非支配持分を含む合計当期利益ベースで算出されており、会社が実際に開示している予想EPS(288.03円、 親会社所有者帰属当期利益89,000百万円ベース)とは基準が異なる点に注意した。

  3. 03
    IR BANK「サントリービバレッジ&フード(2587) 配当金の推移」

    二次情報。2022年12月期〜2026年12月期の配当の期初予想・修正・実績の履歴を参照した。

  4. 04
    IR BANK「サントリービバレッジ&フード(2587) 株価情報」

    二次情報。有利子負債の実額を決算短信の貸借対照表値と突き合わせるために参照した。

  5. 05
    株探(Kabutan)「サントリービバレッジ&フード(2587) 業績」

    二次情報。2022年12月期〜2026年12月期(予)の売上高・営業利益・税前利益・最終利益・EPS・年間配当の 年次推移(親会社所有者帰属ベースで一貫)を参照した。financialsのfrontmatterは主にこちらの年次データを使用。

  6. 06
    株探(Kabutan)「サントリービバレッジ&フード(2587) 株価」

    二次情報。2026年8月25日15:30終値4,602円、時価総額、PER・PBR・ROE・ROA予想値を参照した。 / 2026/08/25 開示