医薬品
売価が薬価制度によって公定され、原則として2年に1度(近年は毎年)引き下げられるため、値上げによる利益確保ができない特殊なセクター。数量成長・原価低減・新製品で薬価改定を打ち返せるかが論点になる。
医薬品セクターの見方(当サイトの整理)
個社の分析に入る前に、この産業に共通してかかる制約と、決算書のどこを見れば状態が分かるかを整理しています。
- 収益がどこから生まれるか
- 医療用医薬品の数量と薬価。売価が薬価制度で公定され原則として引き下げられていくため、値上げによる増収という手段が構造的に存在しない。数量の成長、原価低減、新製品や適応拡大で薬価改定分を打ち返せるかが利益の分かれ目になる。
- 業績を左右する外部要因
- 薬価改定の頻度と幅(近年は毎年改定)、原材料の調達価格と為替、医療政策全般。生薬のように農産物を原料とする場合は、産地の作付面積と天候が数年単位で効く。海外展開する場合は現地の承認制度が時間軸を決める。
- 決算書のどこを見るか
- 売上の増減を「数量」と「薬価改定の影響」に分けた開示があるかを見る。増収の中身が数量なら実力、改定の影響がたまたま小さかっただけなら一時的。研究開発費は発生時に費用計上されるため、開発に踏み込んだ期ほど利益が沈む。原料の作付けから製品化までが長く、棚卸資産の増加が必ずしも滞留を意味しない点にも注意が要る。
- 配当・株主還元の傾向
- 需要が景気に左右されにくいため、配当は安定配当や累進で置かれやすい。ただし薬価改定と研究開発投資が重なる期には利益が沈み、配当性向だけが一時的に高く出る。方針が利益連動か安定重視かで、その期の読み方が変わる。
- 指標を読むときの注意
- 薬価改定のある期とない期で前年同期比が大きく変わるため、単純な増減率で実力を測らない。PERも改定の年に高く出やすいので、改定の影響を除いた実質ベースで見る。
医薬品の銘柄
医薬品の分析記事
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