当サイトの記事はすべて個人の見解であり、投資助言ではありません。必ずご自身で一次情報を確認のうえ、ご自身の判断と責任で投資を行ってください。

電力・ガス

都市ガス・電力は公益事業として料金や供給義務が規制で縛られており、原燃料費は原則として料金に転嫁する仕組み(原料費調整制度)がある一方、転嫁には数ヶ月のタイムラグが生じ、その間は自社で価格変動を吸収する。2016年の電力小売全面自由化、2017年の都市ガス小売全面自由化により、電力・ガス両業態が顧客を奪い合う構図になっており、個社の努力よりも制度変更・資源価格・為替の影響が業績を大きく左右する。

電力・ガスセクターの見方(当サイトの整理)

個社の分析に入る前に、この産業に共通してかかる制約と、決算書のどこを見れば状態が分かるかを整理しています。

収益がどこから生まれるか
都市ガス・電力の小売販売(数量と料金)と、導管・ネットワークという規制事業の収入。前者は自由化で競争にさらされ、後者は規制のもとで収益が一定の範囲に収まる。海外のエネルギー開発(シェールガス・LNG)を持つ企業では、資源価格に連動する利益が加わり、収益の性格がかなり変わる。
業績を左右する外部要因
原燃料(LNG・原油)価格と為替。原料費調整制度で料金に転嫁される仕組みがあるが、転嫁には数か月のタイムラグがある。加えて気温(暖冬・冷夏は販売量を直接動かす)、小売全面自由化による顧客の奪い合い、制度変更そのもの。
決算書のどこを見るか
原料費調整のタイムラグから生じる期ずれ差益・差損。原燃料が上がる局面では損、下がる局面では益が出て、営業利益を実力から乖離させる。決算資料に期ずれの影響額が開示されていれば、それを除いた利益で前年と比べる。導管などの設備が重く減価償却費が大きいため、営業キャッシュ・フローと設備投資を併せて見る。
配当・株主還元の傾向
需要が景気に左右されにくく、配当は安定配当や累進で置かれやすい。ただし期ずれで膨らんだ利益に配当性向を掛けると水準を読み違えるため、方針が実力ベースの利益を基準にしているかを確認する。自社株買いを組み合わせる企業も増えている。
指標を読むときの注意
期ずれ差益が出た期はPERが低く、差損が出た期は高く見える。単年の指標で割安・割高を判断しない。自由化以降は「規制に守られた安定業種」という前提も部分的にしか当てはまらないので、小売の顧客数と単価の推移を確認する。

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