プレイド(4165) 増収加速の裏で純利益予想54.7%下方修正、成長投資の中身
本記事をお読みになる前に
本記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は有価証券報告書等の公開情報にもとづく分析ですが、正確性・完全性を保証するものではなく、将来の株価や業績を約束するものでもありません。投資判断は必ずご自身で情報を確認し、責任をもって行ってください。本記事はあくまで参考情報としてご利用ください。
生成AI利用本記事は、決算短信・有価証券報告書などの一次情報をもとに、生成AIを用いて作成・編集しています。掲載する数値は一次情報との照合を行っていますが、誤りが含まれる可能性を排除できません。重要な数値は必ず出典元の原典でご確認ください。
株式会社プレイド(Plaid, Inc.)
2026/09/18 時点
株価
675円
時価総額
278億円
配当利回り
0.00%
年間0円
PER
46.2倍
PBR
5.45倍
ROE
11.8%
ROA
4.6%
純利益ベース
自己資本比率
38.7%
配当性向
0.0%
有利子負債
43億円
D/Eレシオ
0.84倍
有利子負債÷自己資本
※ 指標は記事執筆時点のスナップショットです。最新の数値はご自身で証券会社等の情報をご確認ください。
この記事の結論
- 2026年12月期中間期(2025年10月〜2026年3月)は売上高77億66百万円(前年同期比+18.6%)と増収が続いた一方、営業利益6億11百万円(同△30.9%)、経常利益5億23百万円(同△38.1%)、純利益3億10百万円(同△51.5%)と、利益は全段階で減益幅が拡大しました。
- 同日(2026年8月13日)発表された第3四半期決算短信では、通期予想が同時に下方修正されました。純利益は前回予想13億23百万円から6億円へ54.7%引き下げられています。決算短信によれば、AI活用・プロダクト開発・営業体制強化のための積極的な人材採用が想定を上回るペースで進み、人件費等が先行して発生していることが主因です。
- 財務面では、有利子負債が2025年9月末18億21百万円から中間期末45億75百万円へ急増し、D/Eレシオも0.383倍から0.889倍へ拡大しました。自己資本比率も49.3%から38.7%(第3四半期末)まで低下しており、成長投資の原資を一部借入で賄っている構図が見えます。
- この投資を「先行して増収率を押し上げている成長投資」と見るか、「収益化の見通しが立たないまま費用が先行している状態」と見るかで、この銘柄への評価は分かれます。上場来無配であり、株主還元という形での下支えはありません。
目次11項目
1. 概要
プレイドは2026年5月14日、2026年12月期第2四半期(中間期、2025年10月1日〜2026年3月31日)の決算短信を開示しました。以下の株価指標は、記事執筆時点(2026年9月24日)で確認できた直近の情報として、2026年9月18日終値675円と、その後に開示された第3四半期末(2026年6月30日)の実績値にもとづいています。対象となる決算そのものは中間期のものですが、それより新しい実績・株価が入手できているため、当サイトの方針としてスナップショットにはそちらを反映しています。
この株価で計算すると、PER(2026年12月期の会社予想EPS14.62円ベース)は46.22倍、PBR(第3四半期末BPS123.76円ベース)は5.45倍、自己資本比率(第3四半期末実績)は38.7%、配当利回りは0%(無配)です。
決算短信の中身を見ると、中間期の売上高は77億66百万円で前年同期比+18.6%の増収でした。一方、営業利益は6億11百万円で同△30.9%、経常利益は5億23百万円で同△38.1%、純利益は3億10百万円で同△51.5%と、利益は全段階で減益となっています。さらに第3四半期決算短信と同日(2026年8月13日)に開示された「業績予想の修正に関するお知らせ」では、通期の純利益予想が前回発表予想から54.7%引き下げられました。なぜ増収率が加速する一方で、利益はそれ以上の速さで減り続けているのか。 これが本記事の中心的な論点です(4節で詳しく扱います)。
なお、プレイドは2025年11月に決算期を9月から12月へ変更しており、2026年12月期は2025年10月1日〜2026年12月31日の15か月にわたる変則決算です。決算短信内の四半期ごとの対前年同四半期比較は、比較可能な形で開示されているため、この変則決算そのものが比較を歪めているわけではありません(詳細は4節)。
2. 会社概要とビジネスモデル
プレイドは、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を、ウェブサイト・スマートフォンアプリを運営する企業向けにクラウド方式(SaaS)で提供する企業です。ユーザー単位のリアルタイムの行動データを解析し、企業がマーケティングからカスタマーサポートまで一人ひとりに合わせたコミュニケーションを実施できるようにすることを事業の核としています。事業区分は単一セグメントで、セグメント別の利益開示はありません。2021年12月に東証マザーズ(現グロース市場)へ上場しました。
売上の中心はKARTEの月額利用料(ストック収益)です。決算短信の定性的情報では、エンタープライズ企業(大企業)との取引拡大が直近の成長ドライバーとして繰り返し言及されているほか、中間期中には株式会社CloudFitを新たに連結子会社化しており、M&Aによる取引規模の拡大も進めています。
強みと弱みの整理
強み
増収率が四半期を追うごとに加速している
前年同期比の増収率は、第1四半期+15.9%→中間期累計+18.6%→第3四半期累計+21.2%(参考)と加速しています。決算短信では、この背景としてエンタープライズ企業との取引拡大とCloudFit社の連結子会社化が挙げられています。
通期の売上高予想自体は上方修正されている
2026年8月13日の業績予想の修正では、売上高は前回予想205億77百万円から208億円へ+1.1%引き上げられました。減益となっている費用側とは対照的に、収益側の計画は上振れています。
2024年9月期以降は黒字基調が続いている
2022年9月期・2023年9月期は営業損失・経常損失・純損失でしたが、2024年9月期に営業利益2億60百万円で黒字化し、2025年9月期は純利益10億99百万円まで拡大しました。今回の減益は黒字基調そのものを損なうものではありません。
弱み
営業利益以下、利益は全段階で減益幅が拡大している
純利益の前年同期比は第1四半期△31.2%→中間期累計△51.5%→第3四半期累計△63.9%(参考)と、四半期を追うごとに減益幅が拡大しています。増収率の加速と対照的な動きです(4節で詳述)。
通期純利益予想が前回発表予想から54.7%下方修正された
2026年8月13日、通期純利益予想は13億23百万円から6億円へ引き下げられました。決算短信は、積極的な人材採用による人件費の先行発生とその他費用の保守的な織り込みを理由に挙げています。
有利子負債の急増と自己資本比率の低下
有利子負債は2025年9月末18億21百万円から中間期末45億75百万円、第3四半期末42億86百万円へ増加し、D/Eレシオも0.383倍→0.889倍→0.843倍へ拡大しました。自己資本比率は49.3%→41.6%→38.7%と低下が続いています。
3. 業績の推移
数値で確認する
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業CF | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022/09 | 7,295 | -882 | -983 | -930 | -809 | 57.2% |
| 2023/09 | 8,633 | -881 | -938 | -2,108 | -325 | 41.7% |
| 2024/09 | 10,992 | 260 | 184 | 320 | 900 | 43.0% |
| 2025/09 | 13,396 | 1,431 | 1,380 | 1,099 | 1,376 | 49.3% |
| 2026/12会社予想 | 20,800 | 1,600 | 1,400 | 600 | — | — |
読み取れることは3つあります。
まず、2022年9月期・2023年9月期は営業損失・経常損失・純損失で、2023年9月期には純損失が23億円台まで拡大しました。 その後2024年9月期に営業利益・経常利益・純利益がそろって黒字化し、2025年9月期にかけて売上高・各利益とも拡大が続きました。2022年9月期から2025年9月期にかけて、売上高は72億95百万円から133億96百万円へ、3年間で約1.8倍に拡大しています。
次に、2026年12月期は決算期変更に伴う15か月の変則決算のため、前期(2025年9月期・12か月)との単純な増減率比較はできません。 会社自身も通期の対前期増減率を開示していないため、本記事でも2025年9月期と2026年12月期の通期数値を前期比の形では比較していません。その代わりに、4節では決算期変更の影響を受けない「対前年同四半期比較」を使って業績のトレンドを確認します。
最後に、自己資本比率は2022年9月期の57.2%から2023年9月期に41.7%へ大きく低下した後、2024〜2025年9月期にかけて43.0%→49.3%へ回復しましたが、2026年12月期の中間期末には41.6%、第3四半期末には38.7%まで再び低下しています。 有利子負債・D/Eレシオの推移を含めた詳細は6節で扱います。
4. 増収加速と減益拡大の乖離、そして通期予想の大幅下方修正
中間期の売上高は前年同期比+18.6%の増収でした。一方、調整後営業利益は同△24.3%、営業利益は同△30.9%、経常利益は同△38.1%、純利益は同△51.5%と、利益は段階を追うごとに減益幅が拡大しています。この傾向は中間期だけのものではなく、四半期ごとに一貫しています。
| 期間 | 売上高(百万円) | 前年同期比 | 調整後営業利益(同) | 営業利益(同) | 経常利益(同) | 純利益(同) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1四半期(2025年10月〜12月) | 3,696 | +15.9% | 351(△26.1%) | 299(△30.1%) | 273(△31.4%) | 201(△31.2%) |
| 中間期累計(2025年10月〜2026年3月、対象期) | 7,766 | +18.6% | 746(△24.3%) | 611(△30.9%) | 523(△38.1%) | 310(△51.5%) |
| 第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月、参考) | 11,919 | +21.2% | 1,053(△24.2%) | 842(△32.3%) | 718(△39.8%) | 317(△63.9%) |
出典:2026年12月期第1〜第3四半期決算短信
増収率は+15.9%→+18.6%→+21.2%と四半期を追うごとに加速している一方、純利益の減益率は△31.2%→△51.5%→△63.9%とさらに大きく拡大しています。 増収と減益の乖離が、決算を重ねるごとに広がり続けていることが数値で確認できます。
この状況を受け、2026年8月13日、第3四半期決算短信と同日付で通期業績予想が下方修正されました。2025年11月18日時点の前回予想と比較すると、次のとおりです。
| 前回発表予想(2025年11月18日時点) | 今回修正予想(2026年8月13日) | 増減率 | 参考:前期実績(2025年9月期) | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 20,577 | 20,800 | +1.1% | 13,396 |
| 調整後営業利益 | 2,387 | 1,900 | △20.4% | 1,632 |
| 営業利益 | 2,183 | 1,600 | △26.7% | 1,431 |
| 経常利益 | 2,098 | 1,400 | △33.3% | 1,380 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,323 | 600 | △54.7% | 1,099 |
| EPS(円) | 32.49 | 14.62 | — | 26.99 |
出典:2026年12月期第3四半期決算短信・同日付「業績予想の修正に関するお知らせ」
売上高は前回予想を上回る見込みで上方修正されている一方、利益はすべての段階で大きく下方修正されている点が特徴的です。 決算短信の説明によれば、売上高はエンタープライズ企業との取引拡大やCloudFit社の連結子会社化等により前回予想を上回る見込みである一方、AI活用推進・プロダクト開発体制強化・セールス/カスタマーサクセス体制拡充のため「今期は成長投資期」と位置付けて積極的な人材採用を推進した結果、当初想定を上回るペースで人材獲得が進み人件費等が先行して発生していること、その他費用も保守的に織り込んだことが下方修正の要因とされています。
弱気側の視点を補うと、この説明を額面どおり受け取ってよいかは、まだ判断できません。 「成長投資が先行している」という会社の説明は、投資が将来の増収に結びつくことを前提にしていますが、今回参照した決算短信からは、採用した人材がどの程度のペースで売上に貢献し始めるかという具体的な見通しは確認できませんでした。増収率が加速している事実自体は投資の効果の一部を示している可能性がありますが、CloudFit社の連結による売上の上乗せ分と、既存事業の有機的な成長分を厳密に分離することは、単一セグメント開示のためできません。
なお、2025年11月の決算期変更(9月期→12月期)そのものは、上表の対前年同四半期比較を歪めていません。各四半期の決算短信は前年同期の対応する期間と比較する形で開示されており、比較期間がずれている形跡は確認できませんでした。この点は、当初の論点仮説(決算期変更による比較期間のズレ)として想定していたものですが、実際に決算短信を確認した結果、比較期間のズレよりも、増収加速と減益拡大の乖離、および通期予想の大幅下方修正の方がはるかに大きな論点であることが分かったため、本節ではこちらを中心に扱っています。
5. 配当の推移
| 決算期 | 期初予想 | 年間配当 | 期初比 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2022/09 | 0円 | 0円 | 0円 | — |
| 2023/09 | 0円 | 0円 | 0円 | — |
| 2024/09 | 0円 | 0円 | 0円 | — |
| 2025/09 | 0円 | 0円 | 0円 | — |
| 2026/12会社予想 | 0円 | 0円 | — | — |
- 2026/12:上場(2021年12月)以来、配当実績はありません。2026年12月期(15か月の変則決算)も無配予想です。
プレイドは2021年12月の上場以来、一貫して無配です。2022年9月期から2025年9月期まで、期初予想・実績とも0円が続いており、2026年12月期(15か月の変則決算)についても会社は無配を予想しています。配当性向を論じる材料はなく、成長投資を優先する方針が続いていると見られます。中間期決算短信でも配当予想の修正はありませんでした。
6. 会社の現状と直近の動き
中間期末(2026年3月31日)の貸借対照表は、総資産123億55百万円(2025年9月末96億48百万円)、自己資本51億45百万円(同47億56百万円)、自己資本比率41.6%(同49.3%)でした。有利子負債(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・長期借入金の合計)は45億75百万円(同18億21百万円)へ急増し、D/Eレシオ(有利子負債÷自己資本)は0.383倍から0.889倍へ拡大しています。
有利子負債が増加した具体的な資金使途は、今回参照した決算短信の記載からは特定できませんでした。 中間期中に株式会社CloudFitを新たに連結子会社化した事実は確認できますが、借入とM&Aの資金使途を直接結びつける記述は決算短信内に見当たりません。時期が重なっている点は事実として指摘できるにとどまります。
参考として、その後開示された第3四半期末(2026年6月30日)の実績はさらに悪化しています。総資産131億47百万円、自己資本50億85百万円、自己資本比率38.7%、有利子負債42億86百万円、D/Eレシオ0.843倍です。自己資本比率は中間期末41.6%から第3四半期末38.7%へ、さらに低下が続いています。
株主資本の内訳では、第14期定時株主総会決議にもとづき、資本準備金53億14百万円をその他資本剰余金へ振り替えました(純資産合計への影響はありません)。利益剰余金は中間期末時点で依然マイナス(△36億96百万円)ですが、2024年9月期以降の黒字計上により繰越損失は縮小傾向にあります。
7. 業界とセクターの状況
プレイドが属するSaaS・クラウドサービスというセクターには、構造的に決まっていることがいくつかあります。
収益の柱は契約数(アカウント数・顧客企業数)×ARPU(顧客単価)の拡大で、これは新規契約の獲得ペースと解約率の掛け合わせで決まります。 プレイドの場合、成長ドライバーとして挙げられているのはエンタープライズ企業との大型契約拡大であり、中小企業向けの多数契約の積み上げとは異なる収益構造です。大企業向けの営業は商談から契約までの意思決定サイクルが長くなりやすく、契約の獲得ペースが四半期ごとに変動しやすいという特性があります。
ストック型ビジネスであるため、人材投資が先行し、その効果が売上に反映されるまでにタイムラグが生じやすい構造も共通しています。 今回の下方修正の理由として会社が挙げている「人件費等の先行発生」は、SaaS企業が成長を優先する局面でしばしば起きる現象です。ただし、その投資がどの程度の期間でどの程度の売上に結びつくかは、会社ごと・局面ごとに異なり、一般化はできません。
当サイトのSaaS・クラウドサービスセクターに属する他銘柄(スマレジ、網屋)は、それぞれクラウドPOSレジ、セキュリティ監視SaaSという別分野の事業を営んでおり、プレイドのCX(顧客体験)プラットフォームとは直接の競合関係にありません。 そのため、本記事では同業他社との指標比較を扱っていません。PER46.22倍・PBR5.45倍という水準は、同社自身の過去のレンジや、今後このセクターにCX分野の他銘柄が加わった際の比較を通じて、初めて割高・割安を判断できるものです。
また、上場から日が浅い成長企業に共通する傾向として、成長投資を優先して無配を続けるか、黒字化後に配当を開始するかは会社ごとに方針が分かれます。 プレイドは2024年9月期に黒字化した後も無配を継続しており、配当開始の時期は明文化されていません。
8. 今後のスケジュール
2026年12月期 通期(15ヶ月変則決算) 決算発表
過去の発表時期からの推定。9月期から12月期への変更に伴う15ヶ月の変則決算のため、通常の四半期サイクルより発表時期がずれる可能性がある。
2027年12月期 第1四半期 決算発表
過去の発表時期からの推定
2027年12月期 第2四半期(中間) 決算発表
過去の発表時期からの推定
いずれも過去の発表時期からの推定です。決算期変更に伴う15か月の変則決算のため、通期決算の発表時期が例年のサイクルからずれる可能性があります。確定日は会社のIRサイトで確認してください。
9. 想定されるカタリスト
修正後の通期予想(調整後営業利益19億円・純利益6億円)に対して着地がどうなるか、また第4四半期単独で人件費の増加ペースに変化があるかを初めて確認できる。
決算短信の定性的情報で継続的に言及されている成長ドライバー。具体的な契約規模や件数は今回参照した決算短信からは確認できない。
中間期中に新規連結した子会社。売上への上乗せと、のれん・のれん償却等の追加コストの両方が今後の決算に表れてくる可能性がある。
決算短信で「成長投資期」と位置付けられている投資の一部。プロダクト強化が新規契約や解約率の改善につながるかは、複数四半期の観察が必要。
10. 想定されるリスク
強みの裏返しになる点を中心に整理します。
成長投資が収益化しないリスク。 4節で見たとおり、通期純利益予想は前回発表予想から54.7%下方修正されました。積極的な人材採用による人件費の先行発生が主因とされていますが、採用した人材がどの程度のペースで売上に貢献するかは、今回参照した決算短信からは確認できません。投資が想定どおりに収益化しない場合、次期以降も下方修正が続く可能性があります。
財務レバレッジの上昇リスク。 有利子負債は2025年9月末18億21百万円から第3四半期末42億86百万円へ2倍以上に増加し、D/Eレシオも0.383倍から0.843倍へ拡大しました。自己資本比率も49.3%から38.7%まで低下しており、この傾向がさらに続いた場合、財務の安全性への懸念が強まります。
単一セグメント開示のため要因分解が難しいリスク。 CloudFit社の新規連結による売上・費用の寄与と、既存事業の有機的な成長・投資の効果を、開示上厳密に分離することができません。増収率の加速が既存事業の実力によるものか、M&Aによる上乗せかを、外部からは判別しにくい状況です。
株主還元が無いリスク。 上場来無配であり、業績が計画を下回った場合の下支えとなる配当はありません。配当開始の時期や配当性向の目安も明文化されていません。
11. まとめ:どう判断材料にするか
中間期の決算は、増収率+18.6%という数字だけを見れば成長が続いているように映りますが、営業利益△30.9%・経常利益△38.1%・純利益△51.5%と、利益は全段階で減益幅が拡大しました。さらに同日発表の通期予想でも、純利益が前回予想から54.7%引き下げられています。会社はこれを「成長投資期における人件費等の先行発生」と説明しており、売上高予想自体はむしろ上方修正されています。
判断の分かれ目は、この人件費先行を「将来の増収につながる合理的な投資」と見るか、「収益化の見通しが立たないまま費用が先行している状態」と見るかです。 前者であれば、増収率の加速(+15.9%→+18.6%→+21.2%)は投資の効果が表れ始めた兆しと解釈できます。後者であれば、通期予想が今回で終わらずさらに下方修正される可能性や、有利子負債・D/Eレシオの拡大が続くリスクを重く見ることになります。上場来無配であるため、株主還元という形での下支えは判断材料に加えられません。
次の確認ポイントは、2027年2月中旬に予定される2026年12月期通期(15か月変則決算)の決算発表です。修正後の通期予想(調整後営業利益19億円・純利益6億円)に対する着地状況と、第4四半期単独での人件費の増加ペースに変化があるかを、あわせて確認してください。
この記事の見立てが外れたと判断する条件
以下のいずれかが起きた場合、本記事の整理は前提から崩れます。買うかどうかを判断する際は、 強気材料と同じだけこちらも見てください。
- 2026年12月期通期(2027年2月中旬発表予定)で、調整後営業利益・純利益が今回の修正予想(19億円・6億円)を上回って着地した場合、成長投資は想定より早く収益化に向かっていると評価できる。
- 人件費等の増加ペースが売上成長ペースを上回る状態が続き、通期予想が再度下方修正された場合(今回は前回予想からの純利益54.7%下方修正)、投資が収益に結びついていない可能性が高まる。
- 自己資本比率が第3四半期末38.7%からさらに大きく低下する、または有利子負債(第3四半期末42億86百万円、D/Eレシオ0.843倍)がさらに積み上がった場合、財務の安全性への懸念が強まる。
- 増収率が四半期を追うごとに鈍化に転じた場合(第1四半期+15.9%→中間期累計+18.6%→第3四半期累計+21.2%という加速トレンドが崩れる)、エンタープライズ大型契約拡大という強気材料の持続性に疑問符がつく。
よくある質問
- プレイド(4165)は配当がありますか?
- 無配です。2022年9月期以降、配当実績はありません。2026年12月期(2025年10月〜2026年12月の15か月変則決算)についても、会社は無配を予想しています。
- プレイドはなぜ増収なのに減益なのですか?
- 決算短信によれば、AI活用推進・プロダクト開発体制強化・セールス/カスタマーサクセス体制拡充のために積極的な人材採用を進めた結果、当初想定を上回るペースで人材獲得が進み、人件費等が先行して発生していることが主因です。2026年12月期中間期は売上高が前年同期比+18.6%増加した一方、純利益は同51.5%減少しました。
- プレイドの通期の業績予想はどう変わりましたか?
- 2026年8月13日、第3四半期決算短信と同日付で通期業績予想の修正を発表しました。売上高は前回予想205億77百万円から208億円へ上方修正された一方、純利益は前回予想13億23百万円から6億円へ54.7%引き下げられています。
参考文献・引用元
- 01
株式会社プレイド「2026年12月期 第2四半期(中間期) 決算短信〔日本基準〕(連結)」
2026年5月14日開示(TDnet適時開示)。本記事の対象期。連結経営成績、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書、配当の状況を参照。 / 2026/05/14 開示
- 02
株式会社プレイド「2026年12月期 第3四半期(累計) 決算短信〔日本基準〕(連結)」および同日付「業績予想の修正に関するお知らせ」
2026年8月13日開示(TDnet適時開示)。第3四半期累計の実績(参考情報として本文中で言及)、通期業績予想の修正内容(売上高・調整後営業利益・営業利益・経常利益・純利益・EPS)、第3四半期末の財政状態を参照。 / 2026/08/13 開示
- 03
株式会社プレイド「2026年12月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
2026年2月12日開示(TDnet適時開示)。第1四半期の実績(前年同期比)を参照。 / 2026/02/12 開示
- 04
株式会社プレイド「決算期変更に関するお知らせ」
2025年11月18日開示(TDnet適時開示)。決算期を9月から12月に変更し、2026年12月期が2025年10月1日〜2026年12月31日の15か月変則決算となる旨、および同時点の通期業績予想を参照。 / 2025/11/18 開示
- 05
株式会社プレイド「2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
2025年11月12日開示(TDnet適時開示)。2025年9月期(通期)および比較対象の2024年9月期の連結業績、財政状態、配当の状況を参照。 / 2025/11/12 開示
- 06
株式会社プレイド「2025年9月期 第3四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
2025年8月14日開示(TDnet適時開示)。四半期比較の基礎資料として参照。 / 2025/08/14 開示
- 07
株式会社プレイド「2025年9月期 第2四半期(中間期) 決算短信〔日本基準〕(連結)」
2025年5月15日開示(TDnet適時開示)。四半期比較の基礎資料として参照。 / 2025/05/15 開示
- 08
株式会社プレイド「2023年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
2023年11月14日開示(TDnet適時開示)。2023年9月期および比較対象の2022年9月期の連結業績、財政状態を参照。 / 2023/11/14 開示
- 09IR BANK「プレイド(4165) 株式情報」
二次情報。株価・時価総額・PER/PBR/ROE/ROA予想値のみを参照(2026年9月18日終値時点のスナップショット)。通期業績・配当の実額はすべて上記の各期決算短信を一次情報として用いている。