四半期分析衣料品・アパレル2026/11期 Q2

モリト(9837) 中間純利益-29.9%の正体は前期一時益の反動、経常利益は+26.4%

2026/09/20 公開2026/09/20 更新6分で読了対象決算:2026年11月期 第2四半期(中間)

本記事をお読みになる前に

本記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は有価証券報告書等の公開情報にもとづく分析ですが、正確性・完全性を保証するものではなく、将来の株価や業績を約束するものでもありません。投資判断は必ずご自身で情報を確認し、責任をもって行ってください。本記事はあくまで参考情報としてご利用ください。

生成AI利用本記事は、決算短信・有価証券報告書などの一次情報をもとに、生成AIを用いて作成・編集しています。掲載する数値は一次情報との照合を行っていますが、誤りが含まれる可能性を排除できません。重要な数値は必ず出典元の原典でご確認ください。

モリト株式会社

東証プライム 9837 ・ 11月期決算

2026/09/17 時点

株価

1,809円

時価総額

485億円

配当利回り

3.98%

年間72円

PER

15.4倍

PBR

1.11倍

ROE

7.4%

ROA

6.7%

経常利益ベース

自己資本比率

70.9%

配当性向

61.4%

有利子負債

36億円

D/Eレシオ

0.09倍

有利子負債÷自己資本

※ 指標は記事執筆時点のスナップショットです。最新の数値はご自身で証券会社等の情報をご確認ください。

この記事の結論

  • 2026年11月期中間期は、売上高330億6,800万円(前年同期比+28.1%)・営業利益20億5,800万円(同+31.2%)・経常利益21億6,200万円(同+26.4%)と大幅増益だった一方、親会社株主に帰属する中間純利益は16億4,500万円(同-29.9%)と大幅減益だった。この差は前年同期に計上された負ののれん発生益11億530万円という一時的な特別利益の反動によるもので、本業ベースでは増収増益が続いていると見ることもできる。
  • 通期の会社予想(売上高630億円・営業利益35億円・経常利益37億円・純利益30億円)は中間決算発表と同時に据え置かれた。中間純利益だけで通期純利益予想の54.8%に達しているが、これは前期の一時益の反動という特殊要因を除いた実質的な進捗であり、下期に投資有価証券売却益のような特別損益が発生するかどうかで着地は振れうる。
  • 配当は2021年11月期から2025年11月期まで実績ベースで5期連続の増配(26.00円→70.00円)。2026年11月期は会社予想72.00円で据え置かれており、実現すれば6期連続増配となる。配当性向は50%台から60%台へ切り上がってきている。
  • モリトは株式会社久永製作所の新規連結や過去の企業結合(Ms.ID、ミツボシコーポレーション)のように、M&Aによる非連続な成長を志向している。新規連結の有無が増収率を、負ののれん発生益のような一時的な特別利益の有無が純利益の伸び率を、それぞれ大きく動かす点に注意が必要である。
目次11項目
  1. 1. 概要
  2. 2. 会社概要とビジネスモデル
  3. 3. 業績の推移
  4. 4. 経常利益+26.4%、中間純利益-29.9%——特別損益の中身
  5. 5. 配当の推移
  6. 6. 会社の現状と直近の動き
  7. 7. 業界とセクターの状況
  8. 8. 今後のスケジュール
  9. 9. 想定されるカタリスト
  10. 10. 想定されるリスク
  11. 11. まとめ:どう判断材料にするか

1. 概要

モリト(9837)は、2026年9月17日終値1,809円時点で、予想PER15.43倍・実績PBR1.11倍・実績ROE7.4%・予想配当利回り3.98%という水準にあります。自己資本比率は2026年5月末(中間期末)で70.9%です。

2026年11月期第2四半期(中間期、2025年12月1日〜2026年5月31日)は、売上高330億6,800万円(前年同期比+28.1%)・営業利益20億5,800万円(同+31.2%)・経常利益21億6,200万円(同+26.4%)と、本業の利益段階では大幅な増益で着地しました。

ところが、親会社株主に帰属する中間純利益は16億4,500万円で、前年同期比-29.9%という大幅な減益です。経常利益までは2桁の増益なのに、最終利益だけが大きく落ち込んでいる——この「利益の質」のねじれが今回の決算の中心的な論点で、第4節で詳しく整理します。あわせて、会社が据え置いた通期業績予想(純利益30億円)の信頼度も確認します。

2. 会社概要とビジネスモデル

モリトは「パーツの総合商社」を掲げる純粋持株会社です。グループの事業は社内で3分野に分かれています。

  • アパレル関連:ファッションアパレル向け資材、シルバーアクセサリー、ユニフォーム関連資材、高級バッグ向け付属品、熊撃退スプレーなど。アパレルメーカー向けの副資材の卸・製造が中心のB2B事業です。
  • プロダクト関連:ヘルスケア関連商品、文具・ゲーム関連商品、均一価格小売店向け商品、厨房機器のレンタル・販売・清掃事業など。
  • 輸送関連:日系自動車メーカー向けの自動車内装部品。

地域別には日本・アジア・欧米の3地域で構成され、2025年11月期の通期売上構成は日本が最大、次いでアジア、欧米の順です。M&Aによる非連続的な成長を志向しており、2025年12月〜2026年5月の中間期には株式会社久永製作所を新規連結しました。過去にも株式会社Ms.ID、株式会社ミツボシコーポレーション(いずれも2024〜2025年に企業結合)を取り込んでおり、新規連結の有無が期ごとの増収率を大きく動かします。

強みと弱みの整理

強み

  • 3事業・3地域による分散

    アパレル関連・プロダクト関連・輸送関連という性格の異なる3事業と、日本・アジア・欧米という3地域を持ちます。2026年11月期中間期はアパレル関連の一部が軟調でも、ヘルスケア・ゲーム関連商品や厨房機器関連サービスの好調が補っており、単一事業への依存度が相対的に低い構造です。

  • 財務の健全性

    自己資本比率は2026年5月末で70.9%、有利子負債35億95百万円に対しD/Eレシオは0.09倍と低水準です。M&Aを重ねながらも財務レバレッジを抑えた成長を続けています。

  • 増配基調

    2021年11月期から2025年11月期まで、実績ベースで5期連続の増配(26.00円→70.00円)が続いています。2026年11月期は会社予想72.00円で据え置かれており、実現すれば6期連続増配です。

弱み

  • 純利益の振れやすさ

    M&Aに伴う負ののれん発生益や投資有価証券売却益のような特別損益が、期によって純利益を大きく押し上げたり、その反動で押し下げたりします。2026年11月期中間期は前期の一時益の反動で中間純利益が-29.9%となりました(第4節)。

  • 既存事業の実力が見えにくい

    新規連結が増収率を押し上げるため、M&A抜きの既存事業がどれだけ伸びているかは決算短信の開示だけでは切り分けにくい構造です。

  • 調達コスト・為替のリスク

    アジア・欧米に製造・販売拠点を持つため為替の影響を受けるほか、会社自身が中東情勢を背景とした調達リスク・コスト上昇を今後注視するとコメントしています。

3. 業績の推移

売上高(左軸) 営業利益(右軸) 会社予想
0017,5001,00035,0002,00052,5003,00070,0004,0002021/112022/112023/112024/112025/112026/11単位:百万円
自己資本比率(%)60708073.772.974.774.871.8
数値で確認する
決算期売上高営業利益経常利益純利益自己資本比率
2021/1143,6361,6191,8341,40773.7%
2022/1148,4782,1162,3421,67472.9%
2023/1148,5292,4642,7712,21774.7%
2024/1148,5372,8683,0032,57274.8%
2025/1156,8673,3333,6242,91671.8%
2026/11会社予想63,0003,5003,7003,000—
単位:百万円。出典:決算短信(連結経営成績)

読み取れることは3つあります。

第一に、売上高は2022年11月期から2024年11月期まで484億円台〜485億円台でほぼ横ばいが続いた後、2025年11月期に568億67百万円(前期比+17.2%)へ一段跳ね上がっています。これは企業結合による新規連結の寄与が大きいとみられます。2026年11月期は会社予想630億円(同+10.8%)で、さらなる増収を見込んでいます。

第二に、営業利益率は緩やかに改善してきました。売上高営業利益率は2021年11月期の3.7%から2025年11月期には5.9%まで上がっています。2026年11月期の会社予想は5.6%とわずかに低下する見込みですが、水準としては切り上がった状態を維持しています。

第三に、純利益は営業利益・経常利益とおおむね同じ方向に動いてきましたが、期によって伸び率の差が生じることがあります。2026年11月期通期の会社予想は、営業利益+5.0%・経常利益+2.1%に対して純利益+2.9%とおおむね近い伸び率ですが、この記事の中心である中間期だけを見ると、経常利益+26.4%に対し中間純利益は-29.9%という大きな乖離が生じています。詳細は次節で扱います。

4. 経常利益+26.4%、中間純利益-29.9%——特別損益の中身

2026年11月期中間期の損益計算書を、前年同中間期(2024年12月1日〜2025年5月31日)と比較します(単位:百万円)。

項目前年同中間期当中間期
経常利益1,7122,163
特別利益 合計1,306371
(うち)負ののれん発生益1,105—
(うち)投資有価証券売却益130361
(うち)受取保険金70—
(うち)固定資産売却益010
特別損失(固定資産除却損)167
税金等調整前中間純利益3,0022,527
法人税等合計655882
親会社株主に帰属する中間純利益2,3471,645

出典:決算短信「中間連結損益計算書」(千円単位を百万円に換算・四捨五入)

前年同中間期には、株式会社Ms.ID・株式会社ミツボシコーポレーションの企業結合(2024〜2025年に実施)に伴う負ののれん発生益11億530万円という一時的な特別利益が計上されていました。負ののれんは、買収額が被買収企業の時価純資産を下回る場合に発生する会計上の利益で、キャッシュの裏付けを伴わない一過性の項目です。

今期(当中間期)にはこの種の巨額な一時益がなく、特別利益は投資有価証券売却益3億6,100万円が中心で、合計でも3億7,100万円にとどまります。経常利益は前年同期比+26.4%と大幅増益であるにもかかわらず、特別利益が約9億円少ない分、税金等調整前中間純利益は前年同期の30億02百万円から25億27百万円へ減少しました。

さらに、法人税等合計は6億55百万円から8億82百万円へ前年同期比+34.6%と増えています。税引前利益が減っているのに税負担額は増えているため、実効税率は前年より上昇したことになります。この結果、親会社株主に帰属する中間純利益は16億4,500万円、前年同期比-29.9%という大幅な減益で着地しました。

これは典型的な「利益の質」の問題です。 本業(営業利益・経常利益)は増収増益が続いている一方、最終利益の落ち込みは前期に計上された一時的な特別利益の反動という会計上の要因によるものです。経常利益ベースの伸び率をそのまま使うか、会社発表の中間純利益の伸び率をそのまま使うかで、この決算の印象は大きく変わります。

なお、会社は2026年11月期通期の純利益予想30億円を中間決算発表時点で据え置いています。中間純利益16億4,500万円は進捗率54.8%に相当しますが、これは前期の一時益の反動という特殊要因を除いた実質的な進捗であり、下期に投資有価証券売却益のような特別損益が発生するかどうかで着地は振れます。

5. 配当の推移

決算期期初予想年間配当期初比配当性向
2021/11—26円—50.6%
2022/1127円32円+5円51.4%
2023/1154円55円+1円66.2%
2024/1158円63円+5円64.9%
2025/1167円70円+3円62.6%
2026/11会社予想72円72円—61.4%
  • 2026/11:2026年7月14日の中間決算発表時点で、直近に公表されている配当予想からの修正は無し。中間配当36円は確定済み(2026年8月6日支払開始予定)、期末36円は予想のまま据え置き。
1株当たり。「期初比」は期初予想に対する着地の差。 出典:決算短信「配当の状況」

配当は明確な増配トレンドにあります。2020年11月期の18.00円を起点に、2021年11月期26.00円、2022年11月期32.00円、2023年11月期55.00円、2024年11月期63.00円、2025年11月期70.00円と、実績ベースで5期連続の増配が続いています。2026年11月期は会社予想72.00円で据え置かれており、実現すれば6期連続増配です。ただし2026年11月期はまだ予想段階である点には注意してください。

配当性向は2021年11月期の50.6%から、2023年11月期に66.2%まで切り上がり、その後は62〜65%程度で推移しています。2026年11月期の会社予想は61.4%です。

2026年11月期の中間配当36円はすでに確定済みで、2026年8月6日から支払いが開始される予定です。期末配当36円は予想のまま据え置かれており、2026年7月14日の中間決算発表時点で「直近に公表されている配当予想からの修正の有無:無」とされています。予想配当利回り3.98%は、この会社予想72円にもとづく数字で、そのまま使えます。

6. 会社の現状と直近の動き

セグメント別(地域別)の実績は次のとおりです(前年同中間期比)。

地域売上高前年同期比セグメント利益前年同期比
日本245億98百万円+36.3%15億01百万円+24.0%
アジア46億67百万円+10.3%4億62百万円+9.0%
欧米38億01百万円+7.8%3億62百万円+155.7%

出典:決算短信 セグメント情報

日本セグメントの高い伸びは、株式会社久永製作所の新規連結(2025年12月〜2026年5月の中間期から)が寄与しているとみられます。加えて、ヘルスケア関連商品・ゲーム関連商品・厨房機器関連サービスが好調でした。一方、ファッションアパレル向け資材は軟調で、輸送関連では一部の日系自動車メーカー(米国)向け内装部品が減少しています。欧米セグメントの利益が前年同期比+155.7%と大きく伸びている一方でこうした個別品目の減少も併存しており、この増益の内訳(どの製品・地域が牽引したか)までは本資料の範囲では特定できませんでした。

会社は決算短信で、中東情勢を背景とした調達リスク・コスト上昇を今後注視するとコメントしています。

自己資本比率は、2025年11月期末の71.8%から2026年5月末(中間期末)には70.9%へ0.9ポイント低下しました。有利子負債(短期借入金・1年内償還予定社債・1年内返済予定長期借入金・社債・長期借入金の合計)は2026年5月末で35億95百万円、自己資本(405億75百万円)に対するD/Eレシオは0.09倍です。倍率としては低水準ですが、中間期に新規連結した株式会社久永製作所の取得に関連する資金調達が含まれている可能性があります。ただし、有利子負債の増減の具体的な資金使途や、前期末との詳細な比較までは本資料の範囲では特定できませんでした。

7. 業界とセクターの状況

当サイトではモリトを便宜上「衣料品・アパレル」セクターに分類していますが、この分類は実態を正確には表していません。当サイトのアパレルセクターが想定しているのは、素材調達から店舗販売までを自社で手がけるSPA型のアパレル小売企業で、既存店売上高や天候といった小売特有の指標が業績を動かします。

一方、モリトの主力はアパレルメーカー向けの副資材を卸・製造するB2B事業であり、自社で店舗を展開して消費者に直接販売する業態ではありません。既存店売上高のような指標はそもそも存在せず、業績を左右するのは納入先であるアパレルメーカーの生産・販売動向や、原材料価格・為替です。

さらに、モリトは輸送関連(自動車内装部品)やプロダクト関連(ヘルスケア・文具・ゲーム関連商品・厨房機器サービス)も手がける多角化企業であり、単一のセクターの構造だけでは業績を説明しきれません。輸送関連は自動車メーカーの生産動向に、プロダクト関連は生活関連消費の動向に、それぞれ影響を受けます。M&Aによる非連続な成長を志向している点も、既存店の積み上げで成長する典型的なアパレル小売企業とは異なる特徴です。

8. 今後のスケジュール

2026年10月上旬(予定)当サイト推定

2026年11月期 第3四半期 決算発表

過去の発表時期からの推定。下期に特別損益が発生していないかを確認できる最初の機会。

2027年1月中旬(予定)当サイト推定

2026年11月期 通期 決算発表

過去の発表時期からの推定。据え置かれている通期純利益予想30億円と、期末配当36円が実現するかが焦点。

2027年4月上旬(予定)当サイト推定

2027年11月期 第1四半期 決算発表

過去の発表時期からの推定。

2027年7月上旬(予定)当サイト推定

2027年11月期 第2四半期(中間) 決算発表

過去の発表時期からの推定。

次の第3四半期決算では、下期に特別損益の発生があったかどうか、また据え置かれた通期純利益予想30億円への進捗ペースを確認できます。発表日はいずれも過去の傾向からの推定で、確定日は同社IRサイトで確認してください。

9. 想定されるカタリスト

時期想定イベント蓋然性方向
2026年10月上旬(予定)2026年11月期 第3四半期決算高両面

下期に投資有価証券売却益のような特別利益が発生するかどうかで、通期純利益予想30億円への着地ペースが変わる。

随時M&Aによる新規連結中両面

株式会社久永製作所(2026年5月期中間から新規連結)のように、買収先の連結が増収要因になる。負ののれん発生益が計上されれば純利益を一時的に押し上げる一方、反動が翌期の比較対象になる。

随時中東情勢を背景とした調達コストの上昇中下振れ

会社が決算短信で今後注視するとコメントしている調達リスク。原材料・資材コストが上昇すれば粗利率を圧迫しうる。

2027年1月中旬(予定)期末配当・通期配当の確定中両面

期末配当は現時点で36円(予想)のまま。過去5期は実績ベースで期初予想を上回って着地する傾向があり、同じ傾向が続けば72円からさらに上振れる可能性がある。

10. 想定されるリスク

利益の質のリスク。 第4節のとおり、2026年11月期中間期の中間純利益-29.9%は、前期に計上された負ののれん発生益11億530万円の反動が主因です。今後もM&Aに伴う一時的な特別利益が発生・消滅を繰り返せば、経常利益ベースの伸び率と会社発表の純利益の伸び率が乖離する状態が続く可能性があります。

事業別の明暗のリスク。 ファッションアパレル向け資材は軟調で、一部の日系自動車メーカー(米国)向け内装部品も減少しています。ヘルスケア・ゲーム関連商品や厨房機器関連サービスの好調がこれを補っていますが、この構図が続く保証はありません。

調達コスト・為替のリスク。 会社自身が中東情勢を背景とした調達リスク・コスト上昇を今後注視するとコメントしています。アジア・欧米に製造・販売拠点を持つため、為替の変動も業績に影響します。

財務構造の変化のリスク。 自己資本比率は2025年11月期末の71.8%から2026年5月末の70.9%へやや低下しました。有利子負債は35億95百万円・D/Eレシオ0.09倍と絶対水準は低いものの、M&Aを重ねるペースが速まれば、財務レバレッジが今後上がっていく可能性があります。

11. まとめ:どう判断材料にするか

2026年11月期中間期は、売上高+28.1%・営業利益+31.2%・経常利益+26.4%という大幅増益で着地しました。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は-29.9%という大幅な減益です。この差は、前期に計上された負ののれん発生益11億530万円という一時的な特別利益の反動によるもので、会計上のベース効果と言えます。

配当については、5期連続の増配実績があり、2026年11月期も会社予想72円(据え置き)で6期目を見込んでいます。予想配当利回り3.98%は、この会社予想にもとづく数字で、そのまま使えます。

判断が分かれるのは、中間純利益-29.9%という額面をどこまで「実力の悪化」と見るかという一点です。経常利益ベースの+26.4%を本業の実力の指標として重視するなら、今回の減益は前期の一時益の反動にすぎず、事業自体はむしろ拡大していると評価できます。逆に、会社発表の純利益の額面を重視するなら、進捗率54.8%という数字であっても、下期に特別利益が発生しなければ通期予想への着地は不透明という評価になります。

次の確認ポイントは、2026年10月上旬に予定される第3四半期決算です。下期に特別損益の発生があったかどうか、そして据え置かれた通期純利益予想30億円への進捗ペースが焦点になります。

この記事の見立てが外れたと判断する条件

以下のいずれかが起きた場合、本記事の整理は前提から崩れます。買うかどうかを判断する際は、 強気材料と同じだけこちらも見てください。

  • 下期に投資有価証券売却益のような特別利益が発生せず、通期純利益が会社予想30億円(進捗率54.8%)を明確に下回って着地した場合。本業の実力が予想ほど強くなかったことになる。
  • 一部の日系自動車メーカー(米国)向け内装部品の減少が輸送関連セグメント全体に広がり、欧米セグメントの増益(中間期は前年同期比+155.7%)が続かなくなった場合。
  • 中東情勢に伴う原材料・資材の調達コスト上昇が長期化し、営業利益率が2026年11月期中間期の水準(営業利益率6.2%)から明確に低下した場合。
  • 今後のM&Aでも負ののれん発生益のような一時的な特別利益に依存した増益が繰り返され、経常利益と純利益の伸び率の乖離が常態化した場合。本業の実力と会社発表の純利益との差が読みにくくなる。
  • 2026年11月期の期末配当が予想の36円(年間合計72円)から減額された場合。5期連続増配、6期目という配当基調の見立てが崩れる。

よくある質問

なぜ営業利益・経常利益が増えているのに、モリトの中間純利益は減っているのですか?
2026年11月期中間期は経常利益が前年同期比+26.4%と増益でしたが、前年同期には株式会社Ms.ID・株式会社ミツボシコーポレーションの企業結合に伴う負ののれん発生益11億530万円という一時的な特別利益が計上されていました。今期はこの一時益が無いため、経常利益ベースの増益にもかかわらず、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比-29.9%となっています。今期の特別利益は投資有価証券売却益3億6,100万円が中心で、前年のような一過性の巨額益はありません。
モリトの配当はいつ、いくらもらえますか?
2026年11月期の会社予想は年間72円(中間36円・期末36円)です。100株保有していれば年間7,200円の配当(税引前)が目安になります。中間配当36円は2026年8月6日支払開始予定で確定済み、期末36円は予想のまま据え置かれています。
モリトはアパレル業界の企業ですか?
モリトはアパレルメーカー向けの副資材を扱う事業を持っていますが、それはB2Bの卸・製造が中心で、当サイトが「衣料品・アパレル」セクターで想定しているSPA型の小売企業(既存店売上高を公表するような業態)とは事業モデルが異なります。実際には自動車内装部品(輸送関連)や生活関連商品(プロダクト関連)も手がける多角化企業です。詳しくは第7節で扱っています。

参考文献・引用元

  1. 01
    モリト株式会社「2026年11月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」

    2026年7月14日開示。1ページ目「連結経営成績」、7ページ目「中間連結損益計算書」(特別利益の内訳)、財政状態、配当の状況、通期業績予想、セグメント情報を参照。 / 2026/07/14 開示

  2. 02
    モリト株式会社「2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

    2026年1月14日開示。連結経営成績の5期推移、配当の状況、次期(2026年11月期)業績予想を参照。 / 2026/01/14 開示

  3. 03
    IR BANK「モリト(9837) 株価情報」

    2026年9月17日終値時点の株価1,809円を、PER・PBR・配当利回り等の算定の基礎として参照した二次情報。当サイトで会社予想ベースに再計算している。 / 2026/09/17 開示