オカダアイヨン(6294) 純利益進捗率12.7%でも据え置かれた通期計画をどう読むか
本記事をお読みになる前に
本記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は有価証券報告書等の公開情報にもとづく分析ですが、正確性・完全性を保証するものではなく、将来の株価や業績を約束するものでもありません。投資判断は必ずご自身で情報を確認し、責任をもって行ってください。本記事はあくまで参考情報としてご利用ください。
生成AI利用本記事は、決算短信・有価証券報告書などの一次情報をもとに、生成AIを用いて作成・編集しています。掲載する数値は一次情報との照合を行っていますが、誤りが含まれる可能性を排除できません。重要な数値は必ず出典元の原典でご確認ください。
オカダアイヨン株式会社
2026/08/14 時点
株価
2,010円
時価総額
162億円
配当利回り
3.78%
年間76円
PER
9.5倍
PBR
0.91倍
ROE
9.5%
ROA
4.3%
純利益ベース
自己資本比率
45.3%
配当性向
36.0%
有利子負債
158億円
D/Eレシオ
0.88倍
有利子負債÷自己資本
※ 指標は記事執筆時点のスナップショットです。最新の数値はご自身で証券会社等の情報をご確認ください。
この記事の結論
- 2027年3月期第1四半期は売上高59億78百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益3億39百万円(同34.4%減)、純利益2億16百万円(同33.9%減)の減収減益だった。主力の圧砕機(アタッチメント)が中東情勢による資材調達への影響・工事現場の工期遅れ・レンタル各社の買い控えを理由に14.8%減となったことが主因で、需要側の弱さを伴う減益に見える。
- 通期計画(売上高285億円・営業利益25億円・純利益17億円)に対するQ1の進捗率は、売上高21.0%に対し純利益はわずか12.7%にとどまる。会社はこの進捗を踏まえても2026年5月14日公表の通期予想を据え置いており、残り9カ月で純利益の87.3%(14億84百万円)を稼ぐ計画になる。
- 有利子負債は2022年3月期の61.9億円から2026年3月期の159億円まで一貫して増加してきたが、2027年3月期第1四半期末は157億53百万円とわずかに減少し、D/Eレシオは0.88倍で前期末とほぼ横ばいだった。増加基調が変わったのか、四半期のブレの範囲かは今回のデータだけでは判断できない。
- 配当は前期実績75.00円から2027年3月期予想76.00円へと金額はほぼ横ばい(+1.3%)だが、支払い方が「期末一括」から「中間38.00円・期末38.00円の均等配分」へ変わる。会社予想EPSが伸びる計画のぶん、計算上の配当性向は40.5%から36.0%へ低下する見込みで、増配ペースと利益成長のどちらを重視するかで見え方が変わる。
目次11項目
1. 概要
オカダアイヨンは、2026年8月14日終値時点でPBR0.91倍・PER9.53倍(会社予想EPSベース)・ROE9.51%・ROA4.31%(純利益ベース)、予想配当利回り3.78%(会社が開示した2027年3月期の年間配当予想76.00円を株価2,010円で割った値)という水準にあります。前号(2026年3月期通期記事)ではROAを経常利益ベース(6.2%)で示しましたが、本号では純利益ベース(4.31%)で計算しており、基準が異なる点に注意してください。
2026年8月7日に開示された2027年3月期第1四半期の決算短信を見ると、指標のスナップショット以上に気になる点があります。売上高・営業利益・経常利益・純利益のすべてが前年同期を下回り、特に純利益は通期計画に対する進捗率がわずか12.7%にとどまっています。 それでも会社は通期の業績予想を据え置いており、この進捗率の低さと計画据え置きの整合性が、今回いちばん掘り下げたい論点です。加えて、有利子負債の推移や、前号で扱った配当方針の転換(期末一括から中間・期末均等へ)の実行段階に入る点も見ておきます。
2. 会社概要とビジネスモデル
オカダアイヨンは大阪市港区に本社を置く建設機械メーカーです。前身はオカダ鑿岩機で、1977年に油圧ブレーカの販売を開始しました。主力製品は油圧ショベルのアームに装着するアタッチメントで、油圧ブレーカ・大割機(圧砕機)・クラッシャー・鉄骨切断機などを取り揃え、コンクリート構造物や鉄骨の解体に使われます。解体機械(アタッチメント)分野では国内トップシェアとされています。このほか、廃木材処理機やコンクリートガラ処理機といった環境関連機器、林業機械、ケーブルクレーン事業も手がけています。
1993年以降、米国・オランダ・タイに海外拠点を設置し、2022年には米国で破砕機事業を買収するなど、海外展開を進めています。2026年5月には新中期経営計画「ONYX」を策定し、売上規模の拡大に加えて利益の質・成長の再現性・資本効率を重視する方針を打ち出しています。
強みと弱みの整理
強み
海外セグメントは増収増益基調
2027年3月期第1四半期の海外セグメントは売上高17億22百万円(前年同期比+5.5%)・セグメント利益94百万円(同+2.2%)で増収増益でした。特に北米は13億8百万円(同+8.1%)と、レンタル各社の在庫調整の影響が徐々に緩和していると説明されています。
アフタービジネス(原材料・修理)が底堅い
原材料売上高5億23百万円(前年同期比+8.2%)、修理売上高3億48百万円(同+19.6%)と、新規販売より安定的とみられる収益源が伸びています。景気変動の影響を受けやすい新規販売の落ち込みを一部緩和しています。
自己資本比率と有利子負債はわずかに改善方向
自己資本比率は前期末45.2%から2027年3月期第1四半期末は45.3%へわずかに上昇し、有利子負債も158億65百万円から157億53百万円へ小幅に減少しました。詳細は第6節で扱います。
弱み
主力の圧砕機を中心に国内の実需が弱い
国内セグメントは売上高42億55百万円(前年同期比-6.0%)、セグメント利益2億50百万円(同-41.1%)と大きく落ち込みました。主力の圧砕機は18億4百万円(同-14.8%)で、中東情勢による資材調達への影響、工事現場の工期遅れ、レンタル各社の買い控えが要因とされています。詳細は第4節で扱います。
純利益の通期進捗率が極めて低い
通期計画の純利益17億円に対し、第1四半期の進捗はわずか2億16百万円(12.7%)にとどまります。会社は通期計画を据え置いていますが、Q2以降の巻き返しへの依存度が高い状態です。
特許侵害訴訟が新規に開示された
林業機械のハイブリッドバケットの一部仕様をめぐり、特許侵害訴訟を提起されていることが今回の短信で新たに開示されました。会社は影響額を「合理的に見積ることは困難」としており、財務的な重要性は現時点で不明です。
3. 業績の推移
数値で確認する
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業CF | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2019/03 | 17,900 | 1,520 | 1,560 | 1,000 | — | — |
| 2020/03 | 18,000 | 1,370 | 1,350 | 885 | — | — |
| 2021/03 | 17,600 | 1,380 | 1,430 | 919 | — | — |
| 2022/03 | 20,300 | 1,770 | 1,810 | 1,190 | — | — |
| 2023/03 | 23,600 | 1,970 | 1,960 | 1,410 | — | — |
| 2024/03 | 27,100 | 2,720 | 2,810 | 1,890 | — | — |
| 2025/03 | 26,582 | 2,279 | 2,238 | 1,475 | -7 | 47.9% |
| 2026/03 | 26,991 | 2,261 | 2,343 | 1,491 | -190 | 45.2% |
| 2027/03会社予想 | 28,500 | 2,500 | 2,500 | 1,700 | — | — |
読み取れることは3つあります。
2022年3月期から2024年3月期にかけて拡大が続いた。 売上高は203億円(2022年3月期)から236億円(2023年3月期)、271億円(2024年3月期)へと拡大し、営業利益も17.7億円から19.7億円、27.2億円へと大きく伸びました。
2025年3月期・2026年3月期は減益から下げ止まりへ転じた。 2025年3月期は減収減益(売上高-1.9%、経常利益-20.5%)となり、2026年3月期は売上高269億91百万円・経常利益23億43百万円と増収増益に戻りましたが、営業利益はほぼ横ばい(前期比-0.8%)にとどまりました。2024年3月期が直近のピークです。
2027年3月期は会社が明確な増益計画を掲げているが、第1四半期はその出だしでつまずいた。 通期計画は売上高285億円(+5.6%)・営業利益25億円(+10.6%)・純利益17億円(+14.0%)ですが、第1四半期(累計)は売上高59億78百万円(前年同期比3.0%減)・営業利益3億39百万円(同34.4%減)・純利益2億16百万円(同33.9%減)と、通期計画とは逆方向の減収減益からのスタートになりました。この点を次節で掘り下げます。
4. 進捗率12.7%でも据え置かれた通期計画をどう読むか
これが今回の決算でいちばん注意すべき点です。第1四半期(累計)の実績と、通期計画に対する進捗率を並べます。
| 項目 | 2027年3月期Q1実績 | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 59億78百万円 | 285億円 | 21.0% |
| 営業利益 | 3億39百万円 | 25億円 | 13.6% |
| 経常利益 | 3億76百万円 | 25億円 | 15.0% |
| 純利益 | 2億16百万円 | 17億円 | 12.7% |
出典:2027年3月期第1四半期決算短信
単純に4分の1(25%)を基準にすると、どの段階の利益もそれを下回っており、特に純利益の進捗率12.7%は基準の半分程度しかありません。 逆算すると、残り3四半期(9カ月)で純利益ベースで14億84百万円、通期計画の87.3%を稼ぐ計画になります。
進捗率が低い理由は、決算短信のセグメント情報からある程度説明できます。国内セグメントの主力である圧砕機の売上高が18億4百万円(前年同期比14.8%減)と大きく落ち込んでおり、会社はその要因として、中東情勢の影響による作動油やシンナー等の一部資材の調達への影響、工事現場の工期遅れによる納期ズレ、レンタル各社の買い控えを挙げています。会社自身は「再開発・ビル解体等の需要自体は堅調」としていますが、実際の売上には表れていません。国内セグメント利益は2億50百万円(前年同期4億26百万円、同41.1%減)と、利益面での落ち込みは売上以上に大きくなっています。
一方で会社は、この決算短信の中で「現段階において2026年5月14日に公表いたしました第2四半期連結累計期間及び通期の見通しを変更しておりません」と明記しています。これは、Q1の弱さを一過性のもの(工期のズレなど時期的な要因)と会社が判断していることを意味しますが、その根拠となる受注動向やQ2以降の見通しの詳細は、今回参照した決算短信からは確認できません。
この銘柄を検討するうえでの論点は「Q1の需要減を、工期ズレやレンタル各社の在庫調整といった一時的な要因の重なりと見るか、それとも中東情勢の長期化を伴う構造的な需要の弱さと見るか」という一点に集約されます。 前者であればQ2以降に進捗率が急速に回復する可能性がありますが、後者であれば会社が据え置いている通期計画そのものが下方修正される可能性が出てきます。どちらであるかは、2026年11月に予定される第2四半期(中間)決算での進捗率の変化で判別できます。
5. 配当の推移
| 決算期 | 期初予想 | 年間配当 | 期初比 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2011/03 | — | 5円 | — | — |
| 2025/03 | 74円 | 74円 | 0円 | 40.3% |
| 2026/03 | 75円 | 75円 | 0円 | 40.5% |
| 2027/03会社予想 | — | 76円 | — | 36.0% |
- 2011/03:期末配当のみ(参考値、IR BANK集計)。長期的な増配基調の起点として参照。
- 2025/03:中間0円・期末74円。期初予想どおりに着地している(IR BANK集計)。
- 2026/03:中間0円・期末75円。期初予想どおりに着地している(IR BANK集計)。
- 2027/03:中間38.00円・期末38.00円の予想(2026年5月14日公表分から修正なし)。長年の「期末配当のみ」から中間・期末均等の配分へ変更予定。配当性向36.0%は会社予想EPS210.99円を用いた当サイトの計算値であり、会社が公表した性向数値ではない。
配当は長期的に増加してきました。IR BANKの集計によれば2011年3月期は5円(期末のみ)でしたが、2025年3月期には74.00円、2026年3月期には75.00円まで積み上がっています。2027年3月期の会社予想は76.00円で、直近公表(2026年5月14日)から修正はありません。
前号(2026年3月期通期記事)で扱ったとおり、この会社は長年、中間配当0円・期末配当のみという方針を続けてきましたが、2027年3月期からは中間38.00円・期末38.00円という均等配分に変わります。金額そのものはほぼ横ばい(75.00円→76.00円、+1.3%)ですが、支払いのタイミングが分散される点は株主にとって予見可能性が上がる変化です。今回のQ1決算では、まだ中間配当の実施結果は出ていません。実際に予想どおり38.00円で実施されるかどうかは、2026年11月に予定される中間決算で確認できる最初のポイントになります。
もう一点、配当性向にも触れておきます。会社予想の年間配当76.00円を会社予想EPS210.99円で割ると、配当性向は36.0%となり、2025年3月期40.3%・2026年3月期40.5%から低下する計算です。これは会社が公表した性向数値ではなく、当サイトによる計算値です。配当の金額自体はわずかに増える一方、会社が見込む利益の伸び(EPS+13.9%)に配当の伸び(+1.3%)が追いついていないため、計算上の性向は切り下がる形になります。
6. 会社の現状と直近の動き
セグメント別の内訳をもう少し詳しく見ます。
| 区分 | 2027年3月期Q1 | 前年同期比 | 主な要因 |
|---|---|---|---|
| 圧砕機 | 18億4百万円 | -14.8% | 中東情勢による資材調達への影響、工期遅れ、レンタル各社の買い控え |
| 油圧ブレーカ | 2億53百万円 | +12.5% | 堅調 |
| つかみ機 | 3億9百万円 | +39.4% | 木造解体・災害復興等の需要回復 |
| 輸入商材の大型環境機械 | 48百万円 | -70.5% | 円安による仕入価格高騰で様子見 |
| 林業機械 | 2億85百万円 | -22.6% | 出足鈍化 |
| ケーブルクレーン事業 | 2億37百万円 | -7.8% | 水力発電所改修工事の受注は順調だが工期の関係で今期の売上は減 |
| 北米 | 13億8百万円 | +8.1% | レンタル各社の在庫調整の影響が徐々に緩和 |
| 欧州 | 1億99百万円 | -16.0% | 中東情勢による投資抑制 |
| アジア | 1億67百万円 | +35.0% | 台湾・タイで販売拡大 |
出典:2027年3月期第1四半期決算短信
財政状態にも変化があります。総資産は前期末399億84百万円から394億57百万円へ5億26百万円減少し、純資産も180億82百万円から178億84百万円へ1億97百万円減少しました。純資産の減少は、四半期純利益2億16百万円の計上と為替換算調整勘定の2億40百万円増加があった一方、剰余金処分の配当金支払6億4百万円がそれを上回ったためです。自己資本比率は前期末45.2%から45.3%へわずかに上昇しました。
資産の内訳を見ると、現金及び預金(+5億15百万円)、商品及び製品(+3億54百万円)、原材料及び貯蔵品(+1億63百万円)が増加した一方、受取手形及び売掛金(-10億80百万円)、電子記録債権(-3億81百万円)が減少しています。第1四半期の売上高が前年同期比3.0%減となる一方で、商品・製品・原材料の在庫は積み上がっており、需要が弱含む中で在庫がやや滞留している兆候とも読めます。ただし、この会社は第1四半期の四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておらず(任意開示の対象外としている)、実際のキャッシュ・フローへの影響は貸借対照表の増減から推測する以上のことは確認できません。前号で扱ったとおり、営業キャッシュ・フローは2025年3月期-7百万円、2026年3月期-190百万円と2期連続でマイナスになっており、今回のQ1で見られる資産構成の変化は、この運転資本膨張の傾向が続いている可能性を示す一つの材料と考えられます。
有利子負債(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・長期借入金の合計、転換社債型新株予約権付社債を除く)は、前期末158億65百万円から157億53百万円へ1億12百万円減少しました。自己資本(178億76百万円)に対するD/Eレシオは0.88倍で、前期末(0.88倍)とほぼ横ばいです。IR BANKの集計によれば有利子負債は2022年3月期の61.9億円から2026年3月期の159億円まで一貫して増加基調にあり、今回のわずかな減少がトレンド転換の兆しなのか、単なる四半期のブレなのかは、今回のデータだけでは判断できません。なお、増加基調が続いてきた具体的な理由(設備投資・M&A・運転資金など)は、今回参照した決算短信からは特定できませんでした。
最後に、今回新たに開示された事項として、林業機械のハイブリッドバケットの一部仕様をめぐる特許侵害訴訟があります。松本システムエンジニアリング株式会社から特許侵害を理由に訴訟を提起されており、会社は「現時点では影響額を合理的に見積ることは困難」としています。訴訟の勝敗や和解金の見通しは、今回参照した資料からは確認できません。
7. 業界とセクターの状況
機械セクターは、建設・食品など特定の産業向けに生産設備や機器を供給する、受注生産型の性格が強い産業です。国内外の設備投資サイクル(建設投資、工場の新設・更新投資など)に業績が連動しやすく、受注から売上計上までにタイムラグが生じるため、単年度・単四半期の業績だけでは需要の強弱を判断しにくいという特徴があります。
今回の決算は、この構造的な特徴をよく表しています。会社は圧砕機の受注環境そのもの(再開発・ビル解体等の需要)は堅調としながらも、売上には工期遅れというタイムラグの影響が表れています。また、決算短信では「イラン情勢の影響で業界全体において作動油やシンナー等の一部資材の調達に影響が生じた」と明記されており、これは同社固有の問題ではなく、解体機械業界全体が直面している構造的な制約です。鋼材や油圧作動油といった素材・資材を世界的なサプライチェーンに依存する機械業界では、地政学リスクが需要面(投資抑制)と供給面(資材調達)の両方から業績に影響しうることが、今回のセグメント情報から確認できます。
当サイトにはまだ同業の解体機械・建設機械メーカーの記事がなく、直接の同業比較はできません。前号(2026年3月期通期記事)では、建設・インフラ関連の需要を持つ他セクターの銘柄(1762高松コンストラクショングループ、7931未来工業、7723愛知時計電機)との比較を行っているので、そちらもあわせて参照してください。
8. 今後のスケジュール
2027年3月期 第2四半期(中間) 決算発表
過去の発表時期からの推定
2027年3月期 第3四半期 決算発表
過去の発表時期からの推定
2027年3月期 通期 決算発表
過去の発表時期からの推定
2028年3月期 第1四半期 決算発表
過去の発表時期からの推定
決算発表日はいずれも過去の発表時期からの推定です。確定日は同社のIRサイトで確認してください。
9. 想定されるカタリスト
会社は通期計画を据え置いたままQ1を終えているため、この中間決算でQ1の進捗の遅れを取り戻せているかが最初の確認点になる。あわせて、初回の中間配当が予想どおり38.00円で実施されるかも確認できる。
国内の圧砕機(アタッチメント)は前年同期比14.8%減となり、中東情勢による資材調達への影響・工期遅れ・レンタル各社の買い控えが要因とされている。会社は再開発・ビル解体等の需要自体は堅調としており、これらが一時的な要因にとどまるかどうかが焦点になる。
林業機械のハイブリッドバケットの一部仕様をめぐり、特許侵害訴訟が提起されている。会社は影響額を「合理的に見積ることは困難」としており、進展次第では損害賠償等のコストが発生する可能性がある。
有利子負債は2022年3月期の61.9億円から2026年3月期の159億円まで一貫して増加してきたが、2027年3月期第1四半期末は157億53百万円とわずかに減少した。この動きが継続するかどうかが、財務レバレッジに関する見立てに影響する。
10. 想定されるリスク
第2節の強みと同じ分量で、弱気材料を整理します。
進捗率の低さが構造的な需要縮小を反映しているリスク。 主力の圧砕機は前年同期比14.8%減で、会社が挙げる要因(中東情勢による資材調達への影響、工期遅れ、レンタル各社の買い控え)のうち、中東情勢の長期化は同社の努力だけでは解消できません。Q2以降も同水準の減収が続けば、通期計画の下方修正につながる可能性があります。
運転資本膨張が続いているリスク。 売上が減少する一方で商品・製品・原材料の在庫は増加しており、2025年3月期・2026年3月期と2期連続でマイナスだった営業キャッシュ・フローの傾向が今期も続いている可能性があります。ただし第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、貸借対照表からの推測にとどまります。
特許侵害訴訟の帰趨が不透明なリスク。 ハイブリッドバケットの一部仕様をめぐる特許侵害訴訟について、会社は影響額を合理的に見積ることが困難としています。訴訟の進展次第では、想定していないコストが発生する可能性があります。
通期計画の据え置きそのものに対する信頼性のリスク。 純利益の進捗率が12.7%という低水準でありながら会社は通期計画を据え置いており、Q2以降に大幅な巻き返し(残り9カ月で通期計画の87.3%)が必要な計算になります。この巻き返しが実現しない場合、据え置き自体が楽観的すぎたという評価になります。
11. まとめ:どう判断材料にするか
2027年3月期第1四半期のオカダアイヨンは、売上高59億78百万円(前年同期比3.0%減)・営業利益3億39百万円(同34.4%減)・純利益2億16百万円(同33.9%減)と、通期計画とは逆方向の減収減益でスタートしました。通期計画に対する進捗率は売上高21.0%・純利益12.7%にとどまっており、会社はそれでも通期予想を据え置いています。指標面ではPBR0.91倍・PER9.53倍(会社予想ベース)・予想配当利回り3.78%という水準です。
一方で、海外セグメントは北米を中心に増収増益を維持し、自己資本比率・有利子負債は前期末からわずかに改善方向にあります。配当は74.00円→75.00円→76.00円と緩やかな増配が続き、2027年3月期からは長年の「期末配当のみ」の方針を中間・期末均等へ変更する予定です。
判断の分かれ目は、Q1の減収減益を「工期ズレや在庫調整といった一時的な要因の重なり」と見るか、「中東情勢の長期化を伴う構造的な需要の弱さ」と見るかです。 前者であれば、会社が据え置いた通期計画(純利益+14.0%)はQ2以降の巻き返しで達成される余地があり、現在の指標水準は相応に手頃に見えます。後者であれば、進捗率の低さは通期計画の下方修正の前兆であり、指標の割安さも修正後の利益水準では変わってくる可能性があります。
次に確認すべきは、2026年11月に予定される第2四半期(中間)決算です。累計進捗率がどこまで改善しているか、初回の中間配当が予想どおり38.00円で実施されるか、そして営業キャッシュ・フローが2期連続のマイナスから脱しているかが、この記事の見立てを検証する材料になります。
この記事の見立てが外れたと判断する条件
以下のいずれかが起きた場合、本記事の整理は前提から崩れます。買うかどうかを判断する際は、 強気材料と同じだけこちらも見てください。
- 2027年3月期第2四半期(中間)決算で、通期予想に対する累計進捗率が依然として低い水準(目安として純利益で50%を大きく下回る)にとどまり、なお会社が通期予想を据え置いた場合。Q1の弱さが一過性でなく、下方修正が必要な状況が続いている可能性を示す。
- 2027年3月期の中間配当が予想の38.00円を下回って実施された場合、あるいは中間・期末均等への配当方針の変更が実行されなかった場合。増配基調および株主還元姿勢に関する見立てが崩れる。
- 2027年3月期第2四半期(中間)決算で開示される営業キャッシュ・フローが、2025年3月期・2026年3月期に続きマイナスとなり、かつ棚卸資産(在庫)の圧縮が確認できない場合。Q1の貸借対照表で見られた売上減少下の在庫増加が一時的でなく、運転資本膨張が構造化していることを示唆する。
- 特許侵害訴訟(ハイブリッドバケット製造販売に係るもの)で、販売差止めや、財務諸表に重要性を持つ規模の損害賠償が命じられるなど、会社が「合理的に見積ることは困難」としていた影響が具体化した場合。
- 主力の圧砕機事業の売上高が、2027年3月期第2四半期以降も前年同期比で二桁の減少を続けた場合。中東情勢や工期遅れといった一過性要因では説明できない、構造的な需要縮小を示唆する。
参考文献・引用元
- 01オカダアイヨン「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」
連結経営成績(累計)、連結財政状態、配当の状況、通期業績予想、セグメント情報(国内・海外)、重要な訴訟に関する開示(1〜3ページ目付近)を参照。有利子負債は短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・長期借入金の合計として当サイトで算定し、転換社債型新株予約権付社債(1,513百万円)は含めていない。 / 2026/08/07 開示
- 02IR BANK「オカダアイヨン(6294) 決算まとめ/配当金の推移」
2019年3月期以降の通期業績(売上高・各利益)、有利子負債・営業キャッシュ・フロー・配当の推移を、決算短信・有価証券報告書を集計した二次情報として参照した(億円単位の表示を百万円に概算換算した箇所を含む)。