四半期分析自動車2027/3期 Q1

本田技研工業(7267) Q1純利益2.3倍増で通期予想を早くも超過、反動増と円安前提が焦点

2026/08/07 公開2026/08/07 更新6分で読了対象決算:2027年3月期 第1四半期

本記事をお読みになる前に

本記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は有価証券報告書等の公開情報にもとづく分析ですが、正確性・完全性を保証するものではなく、将来の株価や業績を約束するものでもありません。投資判断は必ずご自身で情報を確認し、責任をもって行ってください。本記事はあくまで参考情報としてご利用ください。

生成AI利用本記事は、決算短信・有価証券報告書などの一次情報をもとに、生成AIを用いて作成・編集しています。掲載する数値は一次情報との照合を行っていますが、誤りが含まれる可能性を排除できません。重要な数値は必ず出典元の原典でご確認ください。

本田技研工業株式会社

東証プライム 7267 ・ 3月期決算

2026/08/06 時点

株価

1,636円

配当利回り

4.28%

年間70円

PER

15.9倍

PBR

0.52倍

ROE

3.2%

ROA

1.2%

純利益ベース

自己資本比率

35.9%

配当性向

68.1%

※ 指標は記事執筆時点のスナップショットです。最新の数値はご自身で証券会社等の情報をご確認ください。

この記事の結論

  • 2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の親会社所有者に帰属する当期利益は4,509億円で、前年同期比+129.3%(約2.3倍)の増益となった。この結果を受け、会社は同日、通期(2027年3月期)の業績予想を親会社帰属当期利益2,600億円→4,000億円(+53.8%)へ上方修正した。
  • このQ1一四半期の利益(4,509億円)だけで、上方修正後の通期予想(4,000億円)に対してすでに112.7%の進捗率に達している。ただし前年同期(2026年3月期Q1)はEV関連損失の影響で低い水準にあり、2026年3月期は年度後半に計上した特別損失で通期が最終赤字(▲4,239億円)に転落した期でもあるため、Q1の急回復には反動増の性格が強いとみられる。
  • 通期予想の上方修正は、想定為替レートを1ドル145円から155円へ円安方向に見直したことにも支えられている。為替が反転すれば、この上方修正分の一部は再び下振れ要因になり得る。
  • 通期予想を53.8%も上方修正した一方、年間配当予想は70円で据え置かれている。IR BANKの時系列で確認すると、配当は親会社所有者帰属持分に対する配当率(DOE)でおおむね1.9%〜2.8%のレンジに収まる形で運用されており、EPSの変動幅に比べて配当水準自体は安定して据え置かれる傾向がある。
  • 会社予想ベースの配当利回りは4.28%(株価1,636円、年間配当70円)。PBRは0.52倍とスクリーニングの目安(1倍以下)を十分に下回るが、ROEは3.24%・ROAは1.16%(いずれも純利益ベース)とスクリーニングの目安(ROE8%以上・ROA5%以上)を大きく下回る水準にある。
目次11項目
  1. 1. 概要
  2. 2. 会社概要とビジネスモデル
  3. 3. 業績の推移
  4. 4. Q1の急回復は反動増か、実力の回復か
  5. 5. 配当の推移
  6. 6. 会社の現状と直近の動き
  7. 7. 業界とセクターの状況
  8. 8. 今後のスケジュール
  9. 9. 想定されるカタリスト
  10. 10. 想定されるリスク
  11. 11. まとめ:どう判断材料にするか

1. 概要

2026年8月5日、本田技研工業は2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)決算を発表しました。この第1四半期の親会社の所有者に帰属する当期利益は4,509億円で、前年同期比+129.3%の増益です。同社は同日、通期(2027年3月期)の業績予想も上方修正しています。

2026年8月6日時点の株価1,636円をもとにすると、PER15.92倍(2027年3月期会社予想EPS102.75円ベース)・PBR0.52倍(2026年6月末BPS3,175.29円ベース)・ROE3.24%・ROA1.16%(純利益ベース)・親会社所有者帰属持分比率35.9%・予想配当利回り4.28%(会社予想の年間配当70円ベース)という水準です。

この記事で扱う中心的な論点は、Q1の急回復がどこまで実力によるものかということです。 親会社帰属利益ベースで見ると、Q1一四半期だけで通期予想(修正後)4,000億円の112.7%にすでに達しており、数字だけを見れば通期予想が保守的にすら見えます。ただし前期(2026年3月期)は年度後半に計上したEV戦略見直しに伴う特別損失で通期が最終赤字に転落した期であり、その反動増という側面が大きいとみられます。加えて、会社が通期予想を上方修正した背景には、想定為替レートを1ドル145円から155円へ円安方向に見直したことがあり、この前提自体が今後の為替変動に左右されるリスクを抱えています。詳しくは第4節で扱います。

2. 会社概要とビジネスモデル

本田技研工業は、四輪車事業を中核としながら、二輪車事業・パワープロダクツ(汎用機)事業・金融サービス事業を併せ持つ総合輸送機器メーカーです。二輪車事業を主力の一角に持つ点は、四輪車事業に集中する競合他社(本サイトで既出のトヨタ自動車など)との構造的な違いです。今回の決算短信でも、2027年3月期第1四半期の増収は「金融サービス事業ほか各事業における増収」によるものと説明されており、四輪単独ではなく複数事業の合算で業績が動く構造です。

世界各地に生産・販売拠点を持ち、特定の国・地域や大口顧客に依存しない分散型の販売構造を取っています。

強みと弱みの整理

強み

  • 二輪・金融など四輪以外の収益源を持つ

    四輪専業メーカーと異なり、二輪車事業やパワープロダクツ事業、金融サービス事業を併せ持つため、四輪車市場の需要変動だけに業績が左右されにくい構造です。2027年3月期第1四半期の増収も金融サービス事業ほか各事業の増収が寄与しています。

  • 直近四半期は前年同期比+129.3%の急回復

    2027年3月期第1四半期の親会社所有者帰属当期利益は4,509億円(前年同期比+129.3%)で、通期予想の53.8%上方修正にもつながりました。

  • 最終赤字の年も配当は据え置かれた

    2026年3月期に通期最終赤字(▲4,239億円)を計上した年も、年間配当は前期と同じ70円を据え置いています。

弱み

  • 前期(2026年3月期)は通期で最終赤字に転落した

    EV戦略見直しに伴う特別損失により、2026年3月期の親会社所有者帰属当期利益は▲4,239億円の赤字でした。直近の急回復がこの反動の範囲を超えるものかは、今後の四半期で見極める必要があります。

  • 自己資本比率が低下傾向にある

    2026年6月末の親会社所有者帰属持分比率は35.9%で、2024年3月期末の42.6%から低下しています。

  • 通期予想の上方修正は円安前提の見直しに支えられている

    会社は想定為替レートを1ドル145円から155円に見直したことを増益要因に挙げており、前提が崩れれば上方修正分の一部が剥落する可能性があります。

3. 業績の推移

売上高(左軸) 営業利益(右軸) 会社予想
007,500,000500,00015,000,0001,000,00022,500,0001,500,00030,000,0002,000,0002022/032023/032024/032025/032026/032027/03単位:百万円
自己資本比率(%)20355042.635.3
数値で確認する
決算期売上高営業利益経常利益純利益自己資本比率
2022/0314,600,000870,000710,000
2023/0316,900,000780,000650,000
2024/0320,400,0001,380,0001,110,00042.6%
2025/0321,700,0001,210,000840,000
2026/0321,796,610-414,346-403,300-423,94135.3%
2027/03会社予想24,150,000650,000660,000400,000
単位:百万円。出典:2022年3月期〜2025年3月期はIR BANK集計(有価証券報告書ベース)、2026年3月期は決算短信、2027年3月期は会社予想(2026年8月5日修正後)

表の「経常利益」列には、本田技研工業もIFRSを採用しており日本基準の経常利益に対応する概念が無いため、2026年3月期・2027年3月期(予)についてのみ税引前利益を代わりに記載しています。2022年3月期〜2025年3月期は出所(IR BANK)に該当する数値の記載が無いため空欄です。

この6期を並べて読み取れることは3つあります。

売上は右肩上がりが続いている。 売上収益の前期比を見ると、2023年3月期+15.8%、2024年3月期+20.7%と大きく伸びた後、2025年3月期+6.4%、2026年3月期+0.4%まで鈍化し、2027年3月期(予想)は+10.8%の見込みです。2022年3月期の14兆6,000億円から2027年3月期予想の24兆1,500億円まで、5期で6割以上増えています。

営業利益・純利益は2026年3月期に大きく崩れた。 営業利益は2024年3月期に1兆3,800億円まで拡大したあと、2025年3月期は1兆2,100億円(前期比▲12.3%)に減少し、2026年3月期は414,346百万円の赤字に転落しました。純利益も同様の動きで、2024年3月期は前期比+70.8%の1兆1,100億円まで伸びた後、2025年3月期は前期比▲24.3%の8,400億円に減少し、2026年3月期はEV戦略見直しに伴う特別損失の影響で423,941百万円の赤字に転落しています。

2027年3月期は黒字転換の見込みだが、水準としては2024年3月期には届かない。 会社予想の営業利益6,500億円・親会社帰属当期利益4,000億円は、2026年3月期の赤字からは回復するものの、2024年3月期の営業利益1兆3,800億円・純利益1兆1,100億円と比べるとまだ半分以下の水準です。

4. Q1の急回復は反動増か、実力の回復か

通期予想(修正後)をすでに上回るQ1の利益

会社は2026年8月5日、2027年3月期第1四半期決算の発表と同時に通期業績予想を上方修正しました。

項目期初予想(2026年5月14日)修正後予想(2026年8月5日)
売上収益23兆1,500億円24兆1,500億円
営業利益5,000億円6,500億円
税引前利益5,000億円6,600億円
当期利益3,350億円4,800億円
親会社所有者に帰属する当期利益2,600億円4,000億円
EPS66.79円102.75円

出典:2026年5月14日・2026年8月5日の決算短信および業績予想の修正に関するお知らせ

修正理由として会社が挙げているのは、想定為替レートを1ドル145円から155円へ円安方向に見直したことと、鋼材等の市況改善です。この上方修正後の親会社帰属当期利益予想4,000億円に対し、直近発表されたQ1(4〜6月)単体の実績はすでに4,509億円に達しています。

項目2026年3月期第1四半期2027年3月期第1四半期前年同期比
売上収益5兆3,403億円6兆615億円+13.5%
営業利益2,442億円5,308億円+117.4%
税引前利益2,923億円6,050億円+107.0%
当期利益2,149億円4,738億円+120.5%
親会社所有者に帰属する当期利益1,967億円4,509億円+129.3%
EPS46.80円115.84円

出典:2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月5日開示)

この第1四半期だけで、通期予想(修正後)の親会社帰属当期利益4,000億円に対する進捗率は112.7%に達しています。 通常、四半期の進捗率が100%を超えるのは期初の会社予想が保守的だったことを示唆しますが、今回の予想はすでに一度(8月5日に)上方修正した後の数字である点に注意が必要です。それでもなおQ1が通期予想を上回っているという事実は、会社が残り3四半期の業績見通しに対しては引き続き慎重な予想を置いていることも示しています。

なぜ前年同期比+129.3%という大きな伸びになったのか

この急回復の背景には、比較対象である前年同期(2026年3月期第1四半期)の水準が押し下げられていたという事情があります。2026年3月期第1四半期の営業利益は前年同期比▲49.6%とすでに落ち込んでおり、EV(電気自動車)関連の損失が影響していました。さらに2026年3月期は、年度後半の2026年3月12日に発表されたEV戦略見直しに伴う特別損失により、通期では親会社所有者に帰属する当期利益が▲4,239億円の最終赤字に転落しています。

つまり、2027年3月期第1四半期の「+129.3%」という増益率には、2つの要素が絡んでいます。1つは、前年同期(2026年3月期Q1)がすでにEV関連損失で下押しされていた低い水準からの回復であること。もう1つは、通期の特別損失自体は2026年3月期の後半(2026年3月期Q1より後)に計上されたため、Q1同士の比較だけでは特別損失の影響を直接には受けていないことです。決算短信の本文は「前年同期のEV関連損失の影響が減少などにより」と説明しており、会社自身も反動増の性格を認める書きぶりです。

この反動増が一過性のものか、本業の収益力そのものが底を打って回復に向かっているのかは、Q1の1四半期だけでは判断できません。次の第2四半期(2026年11月上旬発表予定)以降、前年同期比の伸び率がどの程度まで縮小するか(あるいは縮小しないか)が、実力の回復かどうかを見極める材料になります。

円安前提の上方修正というもう一つの論点

通期予想の上方修正を支えたもう一つの要因は、想定為替レートを1ドル145円から155円へ、10円円安方向に見直したことです。為替前提の変更は会社の努力で為替そのものを動かせるわけではなく、外部環境の変化を織り込んだに過ぎません。円安が進めば輸出採算は改善しますが、逆に為替が155円より円高方向に振れれば、この上方修正分の少なくとも一部は再び下振れ要因に転じます。

通期予想を53.8%上方修正しても、配当予想は70円で据え置き

親会社帰属当期利益の予想が2,600億円から4,000億円へ53.8%上方修正された一方、年間配当予想は中間35円・期末35円の合計70円のまま変更されていません。単純計算では配当性向は70円÷EPS102.75円≒68%とやや高めに見えますが、IR BANKの時系列で確認すると、本田技研工業の配当は親会社所有者帰属持分に対する配当率(DOE)でおおむね1.9%〜2.8%のレンジに収まる形で運用されてきており、2026年3月期のDOEは2.4%でした。EPSが大きく変動する局面でも配当水準自体は据え置かれる傾向があり、今回の対応もその延長線上にあると見られます。

トヨタ自動車との構造比較

自動車セクターでは、本サイトで既出のトヨタ自動車(7203)も2027年3月期第1四半期に純利益が前年同期比+75.6%という急回復を見せ、通期予想を上方修正しています。トヨタの場合は前期(2026年3月期)の米国関税影響という比較対象の低さが背景でしたが、本田技研工業の場合は前期後半のEV関連特別損失が背景です。要因は異なりますが、どちらも「前期の一過性要因からの反動増」という共通の構図が、直近のQ1決算に表れていると言えます。一方で本田技研工業は二輪車事業・パワープロダクツ事業・金融サービス事業を四輪事業と併せ持つ点で、四輪専業に近いトヨタとは収益構造そのものが異なります。

5. 配当の推移

決算期期初予想年間配当期初比配当性向
2022/03110円120円+10円28.9%
2023/03120円120円0円29.2%
2024/03150円126円-24円31.2%
2025/0368円68円0円30.1%
2026/0370円70円0円
2027/03会社予想70円70円68.1%
  • 2024/03:期中に株式分割を実施したため単純比較はできない。分割調整後の実質ベースでは68円相当(IR BANK集計)。
  • 2026/03:前期(2025年3月期)は黒字だったが、当期はEV戦略見直しに伴う特別損失で最終赤字になったため、配当性向は算定不能(IR BANK表示は「-」)。
  • 2027/03:2026年5月時点の期初予想(70円)を、通期利益予想を53.8%上方修正した2026年8月5日のQ1決算後も据え置いている。
1株当たり。「期初比」は期初予想に対する着地の差。 出典:決算短信「配当の状況」、およびIR BANK集計による過年度の推移

配当は2022年3月期の120円から2025年3月期に68円まで水準を切り下げた後、2026年3月期・2027年3月期(予)は70円で横ばいが続いています(2024年3月期は期中の株式分割の影響で単純比較できず、分割調整後は68円相当)。

2026年3月期は通期で最終赤字(親会社帰属当期利益▲4,239億円)だったため、配当性向は算定不能(IR BANK表示は「-」)でした。2027年3月期は会社予想の年間配当70円を据え置いており、この予想は2026年5月の期初予想時点から、通期利益予想を53.8%上方修正した2026年8月5日のQ1決算を経ても変更されていません。

会社予想ベースの配当利回りは4.28%(株価1,636円、年間配当70円ベース)です。この利回りは会社が明示している予想にもとづくもので、そのまま参考にできます。

6. 会社の現状と直近の動き

2026年8月5日に発表された2027年3月期第1四半期(4〜6月)決算では、売上収益6兆615億円(前年同期比+13.5%)・営業利益5,308億円(同+117.4%)という実績でした。決算短信は増収の理由を「金融サービス事業ほか各事業における増収や為替換算による増収影響など」、営業増益の理由を「前年同期のEV関連損失の影響が減少など」と説明しています。

財政状態は、2026年6月末時点で総資産34兆4,380億円(前期末33兆5,093億円)・資本合計12兆6,286億円(前期末12兆1,481億円)・親会社所有者に帰属する持分12兆3,615億円(前期末11兆8,175億円)で、親会社所有者帰属持分比率は35.9%(前期末35.3%)とわずかに上昇しました。

この実績を踏まえ、会社は通期業績予想を売上収益23兆1,500億円→24兆1,500億円、営業利益5,000億円→6,500億円、親会社所有者に帰属する当期利益2,600億円→4,000億円へ上方修正しています。配当予想(中間35円・期末35円の合計70円)には変更がありません。

7. 業界とセクターの状況

自動車セクターは、国内外の販売台数・為替レート・各国の環境規制や通商政策といった、個社の努力だけでは変えられないマクロ要因の影響を強く受けます。本田技研工業も例外ではなく、2027年3月期通期予想の上方修正は為替前提の円安方向への見直しに支えられており、為替が反転すれば上振れ分の一部は失われます。

本田技研工業に特有の構造として、四輪車事業に加えて二輪車事業を主力の一角に持つ点があります。二輪車は新興国での需要比率が四輪車より高い傾向があり、新興国通貨の変動や現地の景気動向が業績に影響しやすいという性格を持ちます。またEVシフトへの対応は、四輪・二輪の両方で開発投資負担を強いる一方、2026年3月期に計上されたEV戦略見直しに伴う特別損失が示すとおり、投資計画の見直し自体が損益に直接影響する構造的なリスクでもあります。

系列サプライヤーを含む裾野の広いサプライチェーンを抱える点は自動車メーカーに共通する構造で、関税や為替の影響は完成車メーカー1社にとどまらず、部品メーカーを含むグループ全体に及びます。本サイトでは自動車セクターの記事が本田技研工業とトヨタ自動車(7203)の2本になりましたが、四輪専業に近いトヨタと二輪事業を併せ持つ本田技研工業とでは、外部要因の影響の受け方に違いがある点は今後も比較軸として有効とみられます。

8. 今後のスケジュール

2026年11月上旬(予定)当サイト推定

2027年3月期 第2四半期(中間) 決算発表

過去の発表時期からの推定

2027年2月上旬(予定)当サイト推定

2027年3月期 第3四半期 決算発表

過去の発表時期からの推定

2027年5月中旬(予定)当サイト推定

2027年3月期 通期 決算発表

過去の発表時期からの推定

2027年8月上旬(予定)当サイト推定

2028年3月期 第1四半期 決算発表

過去の発表時期からの推定

2027年3月期第1四半期決算は、本記事の執筆時点(2026年8月7日)ですでに2026年8月5日に発表済みです。第4節・第6節の内容がその実績です。表には、まだ発表日が確定していない第2四半期以降の決算のみを記載しています。

9. 想定されるカタリスト

時期想定イベント蓋然性方向
2026年11月上旬2027年3月期 第2四半期(中間)決算両面

Q1の急回復(前年同期比+129.3%)が反動増の範囲にとどまるか、実力の回復として続くかを確認する最初の機会。

随時為替レート(円/米ドル)の変動両面

会社が通期予想の上方修正の根拠とした想定為替レート(1ドル155円)から円高方向に振れれば、上方修正分の一部が下振れ要因に転じる。

随時鋼材等の原材料市況両面

通期予想の上方修正理由の一つに市況改善が挙げられており、逆方向に振れれば増益要因が剥落する可能性がある。

中長期EV戦略の再見直し・投資計画の変更両面

2026年3月期に計上したEV戦略見直しに伴う特別損失のような一時的な損益インパクトが、今後も投資計画の変更に伴って発生する可能性がある。

10. 想定されるリスク

反動増が一巡した後の伸び悩みリスク。 Q1の増益は、EV関連損失で押し下げられていた前年同期との比較によるところが大きく、本業の収益力自体が回復したのかは今後の四半期で見極める必要があります。反動増が一巡すれば、伸び率は大きく縮小する可能性があります。

為替前提のリスク。 通期予想の上方修正は想定為替レート155円(1ドル)への円安方向の見直しに支えられています。為替が円高方向へ反転すれば、この上方修正分の少なくとも一部は下振れ要因に転じます。

自己資本比率低下のリスク。 親会社所有者帰属持分比率は2024年3月期末の42.6%から2026年6月末の35.9%まで低下しています。財務体質の余裕は徐々に薄くなっています。

配当性向が高水準になっているリスク。 会社予想ベースの配当性向は70円÷EPS102.75円≒68%とやや高めです。EPSが計画を下回れば、配当水準を維持する余力は限られます。

11. まとめ:どう判断材料にするか

本田技研工業は、2027年3月期第1四半期の親会社所有者帰属当期利益が前年同期比+129.3%と急回復し、会社は通期予想を53.8%上方修正しました。PER15.92倍・PBR0.52倍という水準は、スクリーニングの目安(PER10〜15倍・PBR1倍以下)と比べてPERはやや上振れ、PBRは十分に低い水準です。一方でROE3.24%・ROA1.16%はスクリーニングの目安(ROE8%以上・ROA5%以上)を大きく下回っています。

判断の分かれ目は、Q1の急回復を前期(2026年3月期)のEV関連損失からの反動増と見るか、本業の収益力が底を打った実力の回復と見るかです。

反動増と見るなら、比較対象が特殊だった期がずれ込むにつれて伸び率は縮小していくはずで、ROEROAの低水準も当面続く可能性があります。実力の回復と見るなら、上方修正後の通期予想(営業利益6,500億円・親会社帰属当期利益4,000億円)は保守的とも言え、今後さらに上振れる余地があるという評価になります。

次の確認ポイントは2026年11月上旬に予定される第2四半期決算です。前年同期比の伸び率がQ1の水準からどの程度縮小するか、そして想定為替レート(1ドル155円)からのズレがどう影響するかを確認してください。

この記事の見立てが外れたと判断する条件

以下のいずれかが起きた場合、本記事の整理は前提から崩れます。買うかどうかを判断する際は、 強気材料と同じだけこちらも見てください。

  • 2027年3月期第2四半期以降、親会社所有者帰属当期利益の前年同期比の伸び率がQ1の+129.3%から大きく縮小し(一桁台など)、反動増が一巡したことが明確になった場合。
  • 為替が想定為替レート(1ドル155円)より円高方向に振れ、会社が通期予想(親会社帰属当期利益4,000億円)を再び下方修正した場合。
  • 会社が配当予想(年間70円)を減額修正した場合。2026年3月期の最終赤字時にも据え置いてきた配当方針の転換を意味する。
  • 親会社所有者帰属持分比率が2026年6月末の35.9%からさらに大きく低下し、財務体質への懸念が強まった場合。

参考文献・引用元

  1. 01
    本田技研工業株式会社「2027年3月期 第1四半期 決算短信〔IFRS〕(連結)」

    2026年8月5日開示。連結経営成績・連結財政状態・配当の状況・2027年3月期通期業績予想(修正後)を参照(1〜2ページ目)。 / 2026/08/05 開示

  2. 02
    本田技研工業株式会社「業績予想の修正に関するお知らせ」

    2026年8月5日開示。2026年5月14日発表の期初予想からの修正内容(売上収益・営業利益・税引前利益・当期利益・親会社所有者に帰属する当期利益・EPS)、および修正理由(想定為替レートを1ドル145円から155円に見直し、鋼材等の市況改善)を参照。 / 2026/08/05 開示

  3. 03
    IR BANK「本田技研工業(7267) 決算まとめ」

    二次情報。2008年3月期以降の通期業績(売上高・営業利益・純利益・EPS・ROE・ROA・営業利益率)を、有価証券報告書・決算短信ベースで集計した時系列として参照した。2022年3月期〜2025年3月期の数値はこのページから取得。2026年3月期・2027年3月期(予)は決算短信の数値と整合することを確認済み。

  4. 04
    IR BANK「本田技研工業(7267) 配当金の推移」

    二次情報。配当の期初予想(区分「予想」)・実績(区分「実績」)・配当性向の推移を、有価証券報告書・決算短信ベースで集計した時系列として参照した。2027年3月期の予想欄は2026年8月5日時点に更新済みであることを確認済み。