芙蓉総合リース(8424) 経常750億円予想の中身:再エネ損失除き716億円との差は+4.7%
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本記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は有価証券報告書等の公開情報にもとづく分析ですが、正確性・完全性を保証するものではなく、将来の株価や業績を約束するものでもありません。投資判断は必ずご自身で情報を確認し、責任をもって行ってください。本記事はあくまで参考情報としてご利用ください。
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芙蓉総合リース株式会社
2026/10/01 時点
株価
4,375円
時価総額
3,974億円
配当利回り
3.93%
年間172円
PER
8.2倍
PBR
0.78倍
ROE
9.4%
ROA
1.3%
純利益ベース
自己資本比率
13.1%
配当性向
32.3%
有利子負債
30,066億円
D/Eレシオ
5.98倍
有利子負債÷自己資本
※ 指標は記事執筆時点のスナップショットです。最新の数値はご自身で証券会社等の情報をご確認ください。
この記事の結論
- 2027年3月期の経常利益予想750億円は、2026年3月期の382億円の約2倍(+96.1%)だが、増加額368億円のうち約334億円(約91%)は、2026年3月期に計上した欧州・北米の再エネ関連損失の剥落にあたる。会社資料の「再エネ損失を除く経常利益716億円」と比べた750億円は+4.7%にとどまり、「2倍」は実力の倍増ではなく、一過性損失が消えた分の回復である。
- 一方、Q1(2026年4〜6月)は経常利益207億円(+11.2%)、営業利益197億円(+29.3%)と第1四半期として過去最高で、通期予想に対する経常の進捗は27.6%。営業利益は通期予想700億円に対して28.1%進んでおり、予想は営業段階では保守的に見える。弱点は営業外損益で、Q1は10億円(前年同期34億円)にとどまるのに、通期予想は経常と営業利益の差が50億円と、残る3四半期で約40億円の積み上げを要する。
- 資金原価はQ1で115億円(前年同期86億円、+34.1%)、調達利回りは1.70%(同1.33%)に上昇し、会社は通期でも2026年3月期(+75億円)を上回る増加を見込む。Q1の差引利益+95億円がこれを吸収した形だが、金利が先に効く構造は続く。再エネ・航空機などの海外案件で再び損失が出れば、今期の回復シナリオは崩れる。
- 配当は2026年3月期に純利益が-52.4%でも158円を維持(配当性向66.1%)し、2027年3月期は172円(配当性向32.3%)を予想する。配当総額は約155億円で、純利益480億円の約32%、損失除きの水準460億円でも約34%。ただし純利益が前期実績216億円にとどまれば約72%になる。予想PER約8倍・予想配当利回り3.93%は予想EPS532円が実現する前提の値で、2026年3月期の実績EPS239円で割ると約18倍になる。この回復を実力と見るか、損失の戻りと見るかで評価が分かれる。
目次11項目
1. 概要
芙蓉総合リース(8424)は、2026年10月1日時点で時価総額約3,974億円、会社予想EPS532.14円ベースの予想PER8.22倍、2026年3月期末BPS5,575.1円ベースのPBR0.78倍、会社予想配当172円ベースの予想配当利回り3.93%という水準です。株価は172円÷3.93%から逆算した約4,375円で、PERもPBRもこの値で計算しています。PERは予想EPSが分母なので、実績EPS239.13円で割ると約18倍になります。配当利回りは、前期実績158円ではなく会社が開示した予想172円(前期比+14円)を使っています。
2026年3月期は、欧州・北米の再エネ関連損失の影響で経常利益が690億円から382億円(-44.6%)、純利益が453億円から216億円(-52.4%)に減りました。2027年3月期の会社予想は、経常利益750億円(+96.1%)、純利益480億円(+122.6%)と、ほぼ倍増です。2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は、経常利益207億円(前年同期比+11.2%)、営業利益197億円(+29.3%)と、いずれも第1四半期として過去最高でした。
この記事の論点は次の3つです。
- 「経常利益約2倍」の中身。会社資料の「損失除き716億円」と比べると、750億円はどれだけ実力が伸びる予想なのか。
- Q1の進捗は予想を裏づけるか。営業利益の+29.3%に対し、経常利益が+11.2%にとどまった理由と、資金原価の上昇の影響。
- 2026年3月期に純利益が半減しても守った配当158円と、2027年3月期の172円(配当性向32.3%)は、利益の回復が遅れても維持できるか。
なお、2026年7月30日に契約した三井住友トラスト・パナソニックファイナンス(SMTPFC)の持分法化(約140億円の負ののれん相当額の見通し)は、会社の現行予想に含まれていません。順に§4で整理します。リース会社は有利子負債が自己資本の数倍になるのが構造であり、その水準自体を財務リスクとは読まない、という前提で書いています。
2. 会社概要とビジネスモデル
芙蓉総合リースは、東証プライム上場の総合リース会社です。会社資料の2026年3月期の差引利益(売上高から資金原価を除く売上原価を引いた、リース業の粗利に近い段階の利益)1,409億円の内訳は、リース940億円(構成比約67%)、割賦13億円、ファイナンス186億円、その他(BPO等)271億円です。リースはさらにファイナンス・リースとオペレーティング・リース(物件を自社で保有して貸す形)に分かれ、2026年3月末の営業資産残高32,531億円のうち、ファイナンス・リースが8,714億円、オペレーティング・リースが10,308億円、割賦が562億円、ファイナンス・その他が12,946億円です。
近年の特徴は、不動産・航空機・モビリティ/ロジスティクス・環境エネルギーなど、単純な物件リースを超えた事業領域への拡大です。2027年3月期はその中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」の最終年度で、会社は第1四半期を「順調な滑り出し」と位置づけています。2026年7月30日には、SMTPFC(社名は「SMTBリース」に変更予定)の発行済株式40%を取得して持分法適用関連会社とする最終契約を結びました(三井住友信託銀行45%、当社40%、横浜FG15%)。
収益の構造は、差引利益から資金原価と販管費を引くと営業利益、そこに持分法投資損益などの営業外損益を足すと経常利益、という流れです。2026年3月期は、営業外損益が前期の+43億円から-23億円に落ち込み、営業利益より経常利益が小さくなりました。再エネ関連の持分法損失の影響です(内訳は§4)。
強みと弱みの整理
強み
損失を除いた差引利益は成長、Q1は過去最高
2026年3月期の差引利益は1,409億円(-6.0%)でしたが、会社資料は再エネ損失259億円(差引利益段階)を除くと1,669億円で、前期の1,498億円から増えたと説明しています。2027年3月期Q1の差引利益は480億円(前年同期384億円、+24.9%)で、営業利益197億円は第1四半期の過去最高です。リースの差引利益は267億円(前年同期221億円)、ファイナンスは151億円(同98億円)に伸びました。
営業資産が積み上がり、収益基盤が厚い
営業資産残高は2022年3月末の25,659億円から2026年3月末の32,531億円へ増えています(2025年3月末30,721億円から+5.9%)。2026年3月期の契約実行高は22,011億円(+19.4%)と大きく伸びました。リース料は契約期間にわたって入るため、この残高が将来の差引利益の土台になります。
配当は純利益が半減しても減らさなかった
2026年3月期は純利益が-52.4%でしたが、期初予想158円を維持し、前期比+6.3円の増配で着地しました。2027年3月期の予想172円は前期比+14円です。配当の前期比は、分割調整後で2022年3月期の95円から2025年3月期の151.67円まで増え続け、2026年3月期も減配はありませんでした。
弱み
海外の再エネ関連で巨額損失を出した
2026年3月期の経常利益への影響は約334億円(再エネ損失除き716億円と実績382億円の差)で、経常利益が前期比で約4割減る原因になりました。欧州では、スペインの一部プロジェクトの資金不足による開発遅延で、債権329億円に取立不能・取立遅延のおそれが生じました。同種の案件が他にもあるかどうかは、資料からは分かりません。
資金原価が先行して増え、利益率を押し下げる
資金原価は2025年3月期302億円から2026年3月期377億円(+24.8%)に増え、2027年3月期Q1は115億円(前年同期86億円)です。会社は「当面は調達コストの上昇が先行する」とし、2027年3月期の調達コスト増加は2026年3月期を上回る見通しと記載しています。
ファイナンス事業の波と、営業外損益への依存
2026年3月期のファイナンスの差引利益は378億円から186億円(-50.7%)に半減しました(売上総利益は223億円からマイナス12億円)。Q1は151億円に戻りましたが、振れが大きい事業です。また2027年3月期の予想は営業利益700億円に対し経常利益750億円で、差の50億円は営業外損益(持分法を含む)が埋める前提です。
3. 業績の推移
数値で確認する
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業CF | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022/03 | 657,847 | 46,034 | 52,723 | 33,886 | — | 11.3% |
| 2023/03 | 688,655 | 51,561 | 59,699 | 38,939 | — | 11.6% |
| 2024/03 | 708,538 | 60,046 | 68,355 | 47,219 | — | 12.7% |
| 2025/03 | 678,395 | 64,760 | 69,036 | 45,277 | — | 13.3% |
| 2026/03 | 788,669 | 40,542 | 38,249 | 21,565 | -164,900 | 13.1% |
| 2027/03会社予想 | — | 70,000 | 75,000 | 48,000 | — | — |
2027年3月期は会社予想で、売上高の予想は開示されていません。2022年3月期〜2024年3月期の数値は二次情報(IR BANK)です。
読み取れることは4つあります。
1つ目、2026年3月期は売上高が+16.3%の788,669百万円と伸びたのに、利益が大きく減った。 売上高は不動産関連のリース取引の売却増などで膨らみましたが、営業利益は64,760百万円から40,542百万円(-37.4%)、経常利益は69,036百万円から38,249百万円(-44.6%)、純利益は45,277百万円から21,565百万円(-52.4%)と、利益の段階が下がるほど減り方が大きくなりました。売上高の増減は、利益の増減を意味しません。
2つ目、2022年3月期から2025年3月期までは、経常利益が増え続けていた。 経常利益は52,723百万円から69,036百万円へ、純利益は33,886百万円から45,277百万円へ増えました(2025年3月期の経常利益は+1.0%、純利益は-4.1%と、ここだけ足踏みしています)。今期の回復予想は、この水準に戻る、つまり2025年3月期比で経常+8.6%、純利益+6.0%という見方が基準になります。
3つ目、利益の段階の差が2026年3月期に開いた。 営業利益と経常利益の差は、2025年3月期が+4,276百万円、2026年3月期は-2,293百万円と、経常が営業を下回りました。営業外損益の悪化(持分法損失など)が経常段階まで削ったことが、この差から読み取れます。2027年3月期の会社予想は、営業利益70,000百万円・経常利益75,000百万円で差は+5,000百万円です。
4つ目、EPSは株数の変化ではなく利益で決まっている。 EPSは2025年3月期の501.66円から2026年3月期は239.13円(-52.3%)に下がり、純利益の減少率(-52.4%)とほぼ同じです。2027年3月期予想の532.14円は、純利益予想480億円(+122.6%)にほぼ連動して+122.5%です。なお営業CFは2026年3月期に-1,649億円ですが、これはリース会社が営業資産を積み上げる構造によるもので(§7)、業績悪化を直接示すものではありません。
4. 「経常利益約2倍」の中身:再エネ損失334億円の剥落と、営業外損益という次の論点
会社の予想は2027年3月期の経常利益750億円で、2026年3月期の382億円の約2倍です。この「約2倍」が実力の倍増なのか、損失が消えただけなのかを、一次情報で分解します。
(1) 増加額368億円の約91%は、損失の剥落
会社の2026年3月期決算概要(4ページ)は、海外(欧州・北米)の再エネ関連損失を除いた数値を併記しています。
| 段階(億円) | 2025年3月期 | 2026年3月期(実績) | 再エネ損失の影響額 | 2026年3月期(損失除き) | 2027年3月期予想 | 予想÷損失除き |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 差引利益 | 1,498 | 1,409 | 259 | 1,669 | (予想なし) | — |
| 営業利益 | 648 | 405 | 289 | 694 | 700 | +0.9% |
| 経常利益 | 690 | 382 | 334 | 716 | 750 | +4.7% |
| 純利益 | 453 | 216 | 244 | 460 | 480 | +4.3% |
資料の表は文字の抽出が崩れており、行と数値の対応を差引利益=259、営業利益=289、経常利益=334、純利益=244と読みました(損失を足し戻すと、いずれも「損失除き」の数値と一致することで確認)。損失の合計(経常段階)は716-382=334億円です。経常段階の増加額(750-382=368億円)のうち334億円、約91%は、この損失が消える分で説明できます。残る34億円(損失除き716億円からの+4.7%)が、損失を除いた実力ベースの増加幅です。
つまり、予想の「約2倍」は大半が反動で、実力ベースの成長予想は営業利益で+0.9%、経常利益で+4.7%、純利益で+4.3%と小さな数字です。会社の損失除きの数値は、2025年3月期の経常利益690億円と比べても+3.8%(716億円)で、2022年3月期から続いた伸び(2024年3月期684億円→2025年3月期690億円)の延長線上にあります。
損失額の内訳は、資料の図(6ページ)に「差引利益▲259」「貸倒費用」「持分法損失」の3区分が示されていますが、各数値と区分の対応は文字抽出で確認し切れなかったため、ここでは合計額のみとします。2025年10月23日の開示では、欧州の再エネ事業向け債権329億円(営業貸付金43億円・営業投資有価証券286億円)に取立不能・取立遅延のおそれが生じたことが、損失計上のきっかけでした。第4四半期には北米の再エネ関連損失(予想修正で織り込み済み)と、一部の航空機案件に係る損失も計上されています。
(2) Q1は「営業は強く、営業外が弱い」。通期の積み上げ
2027年3月期Q1の経常利益207億円は、通期予想750億円の27.6%です。営業利益は197億円で、通期予想700億円の28.1%、純利益140億円は通期予想480億円の29.2%でした。経常利益の増減要因(会社資料6ページ)は、差引利益+95億円、人物件費-18億円、資金原価-29億円、貸倒関連損益-5億円、営業外損益-22億円で、186億円から207億円(+21億円)です。
| 項目(億円) | 2026年3月期Q1 | 2027年3月期Q1 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 差引利益 | 384 | 480 | +95(+24.9%) |
| 資金原価 | 86 | 115 | +29 |
| 営業利益 | 153 | 197 | +45(+29.3%) |
| 営業外損益 | 34 | 10 | ▲24 |
| 経常利益 | 186 | 207 | +21(+11.2%) |
営業利益が+29.3%伸びたのに経常利益が+11.2%にとどまったのは、営業外損益が34億円から10億円に減ったためです。会社資料は、前期に計上した持分法投資損益(負ののれん相当額)が剥落したと説明しています。前年同期の営業外損益34億円には一時的な要素が含まれていたことになり、Q1の経常+11.2%は、剥落を乗り越えた数字とも言えます。
通期の積み上げを見ると、残る3四半期で必要な額は次のとおりです(会社予想からQ1実績を引いた当サイトの計算)。
- 営業利益は700-197=503億円で、前期の損失除き(694-153=541億円)を約7%下回る水準。Q1の+29.3%のペースが続けば、営業利益の予想は保守的に見える。
- 経常利益は750-207=543億円で、前期(損失除き716-186=530億円)を約+2.5%上回る水準。
- 差の約40億円は営業外損益で、予想の営業外損益+50億円(750-700)からQ1実績の10億円を引いた値。Q1実績が10億円なので、残る3四半期で約13億円ずつの積み上げが必要になる。
Q1の営業外損益10億円は、前年同期の34億円(一時的要素を含む)を大きく下回り、通期予想+50億円に対して進捗20%と、営業利益(28.1%)より遅れています。営業段階の余裕で営業外のペースを補えるかが、通期予想の達成を左右します。参考として、第1四半期の経常利益が通期経常利益に占める比率は、2023年3月期21.8%(130/597億円)、2024年3月期20.2%(138/684億円)、2025年3月期23.6%(163/690億円)、2026年3月期は損失除きで26.0%(186/716億円)でした。2027年3月期は27.6%で、近年の水準より高めに出ています。Q1に物件売却益(会社資料8ページが言及)が計上された可能性もあり、比率の高さが通期の上振れを意味するとは限りません。
(3) 資金原価という構造的な逆風
Q1の資金原価は115億円(前年同期86億円、+34.1%)、調達利回りは1.70%(前年同期1.33%)です。2026年3月期も資金原価は302億円から377億円(+75億円)、調達利回りは1.20%から1.43%に上がりました。会社は、2027年3月期は市場金利上昇の影響が通期で反映され、2026年3月期を上回る調達コストの増加を見込むと記載しています(2026年3月期決算概要7ページ)。
調達残高は約3兆円(2026年3月末30,066億円、2026年6月末29,969億円)なので、調達利回りが0.1ポイント動くと資金原価は年約30億円動く計算です(当サイトの単純計算で、調達構成や期中の残高変化は考慮していない)。Q1の調達利回り1.70%が1年続けば、2026年3月期(1.43%)との差0.27ポイントで資金原価は約80億円増えます。会社が「計画の範囲内」とするのは、この増加を予想に織り込んでいるという意味ですが、織り込んだ金額は開示されていません。
(4) SMTPFCの持分法化は、予想に入っていない一時益
2026年7月30日の契約で、当社はSMTPFCの発行済株式40%を取得価額53,439百万円(アドバイザリー費用等550百万円を加えた概算53,989百万円)で取得し、実行予定日は2026年10月1日です。会社は2026年度に負ののれん相当額約140億円を持分法投資利益として計上する見通しとしつつ、本日時点の見込みで大きく変動しうるとしています。2027年3月期予想(経常750億円)への影響は「現在精査中」で、現行予想には含まれていません。
約140億円は経常利益予想750億円の約19%に相当します。一時益なので、上振れ要因ではあっても、実力ベースの利益が増えたことを意味しません。一時益を除いて実力を見る点は、持分法の負ののれんを扱った他社の記事と同じです(例: みずほリース(8425)の2027年3月期Q1は、持分法に含まれる負ののれん9,633百万円を除くと経常利益の増益率が大きく下がりました)。
SMTPFCの2026年3月期は、連結経常利益10,914百万円(2025年3月期12,491百万円)、純利益18,900百万円(同9,999百万円)、純資産211,867百万円、総資産1,636,850百万円でした。純利益が経常利益を大きく上回っているため、特別利益などの要素があるとみられますが、内訳は今回の資料にありません。経常利益の40%は約44億円(10,914百万円×40%)で、これは持分法投資利益の見積りではなく規模感の参考です。SMTPFCは取得前に事前配当と自己株式取得を行うため、実際の損益水準は変わる可能性があります。取得資金の調達方法は資料から特定できませんでしたが、取得価額約534億円を有利子負債で賄うと仮定すると、D/Eレシオは約5.98倍から約6.09倍へ上がる計算です(当サイトの機械的な試算)。
(5) PER・ROEの水準について
予想PER8.22倍は、予想EPS532.14円が分母です。2026年3月期の実績EPS239.13円で割ると約18.3倍、再エネ損失を除いた純利益460億円ベース(EPSで約510円)なら約8.6倍です。PERが低く見えるのは、会社が予想する回復が実現する前提の数字だからで、損失除きの水準で見ても約8.6倍とそれほど変わらない一方、実績ベースでは約18倍と見え方が大きく変わります。
予想ROE9.39%(IR BANK)は、2026年3月期の実績4.4%、2025年3月期の10.0%と比べると、実績の底から約2倍に戻る予想です。ROEの水準を決める要因は、純利益のぶれと、自己資本比率13.1%というレバレッジ(自己資本の約6倍の調達で資産を持つ構造)です。2026年3月期のROEが4.4%に落ちたのは分子の純利益が半減したためで、会社資料に他の説明はありませんでした。ROAは、IR BANKの予想値1.25%(純利益ベース、当サイトの逆算で総資産は約3.8兆円)で、会社資料のROA(2026年3月期1.2%、Q1年換算2.6%)は定義が異なり、経常利益を営業資産の平均で割った値とおおむね一致します。ROAが低く出るのはリース会社が資産を厚く持つ業態のためで、水準自体を収益力の弱さとは読めません。
PBR0.78倍は1倍を割る水準ですが、過去のレンジとの比較は今回の資料では確認していません。割安が是正されていない理由も、資料からは特定できませんでした。
結論:論点の整理
当初の仮説「750億円は損失除き716億円に対して+4.7%にすぎず、約2倍は大半が損失の剥落」は、一次情報で成り立ちました。ただし、Q1の営業利益+29.3%と、営業段階の予想の保守性(残る3四半期の営業利益は前期の損失除きを約7%下回る水準)から見ると、予想の営業利益700億円は達成の確度が高めに見えます。確度を分けるのは営業外損益(Q1は10億円)と、海外案件で再び損失が出ないかの2点です。
5. 配当の推移
| 決算期 | 期初予想 | 年間配当 | 期初比 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2022/03 | 86.67円 | 95円 | +8.329999999999998円 | 25.2% |
| 2023/03 | 105.33円 | 114.33円 | +9円 | 26.4% |
| 2024/03 | 130円 | 146.67円 | +16.669999999999987円 | 28.0% |
| 2025/03 | 150円 | 151.67円 | +1.6699999999999875円 | 30.2% |
| 2026/03 | 158円 | 158円 | 0円 | 66.1% |
| 2027/03会社予想 | 172円 | 172円 | — | 32.3% |
- 2022/03:2025年4月1日の1株→3株の株式分割を反映した調整後の値(IR BANK)。
- 2023/03:株式分割(1→3)調整後の値。中間・期末は端数処理の都合で合計が合うよう52.66円・61.67円で表示。
- 2024/03:株式分割(1→3)調整後の値。期初予想130円から146.67円へ増額して着地。
- 2025/03:株式分割(1→3)調整後の値。期初予想150円からの上積みは1.67円にとどまった。
- 2026/03:純利益が前期比-52.4%でも期初予想158円を維持(前期比+6.3円の増配)。配当性向66.1%は純利益の落ち込みで跳ね上がった結果。配当総額は約141億円(IR BANK、キャッシュ・フロー計算書ベース)で、純利益216億円の約65%。
- 2027/03:会社予想は前期比+14円の172円(中間86円・期末86円)、配当性向32.3%。2026年7月30日の第1四半期決算資料でも据え置き。会社は「安定的な株主還元を継続し、利益成長に伴う増配を見込む」と記載。
会社が開示している2027年3月期の配当予想は、中間86円・期末86円の合計172円で、前期実績158円から+14円(+8.9%)です。株価4,375円(逆算値)に対する予想配当利回りは3.93%、前期実績158円を前提にすると3.61%です。100株では年17,200円(税引前)、前期実績は15,800円でした。
期初予想の癖は、期ごとに違います。2022年3月期は期初86.67円から95円、2023年3月期は105.33円から114.33円、2024年3月期は130円から146.67円へ増額して着地しました(いずれも株式分割調整後)。2025年3月期は150円から151.67円と上積みがわずかで、2026年3月期は純利益が半減しても期初予想の158円を維持しました。期初予想を上回る着地が続いた時期から、利益の悪化があっても期初予想を守る姿勢に変わったことが分かります。
配当性向は、2022年3月期25.2%、2023年3月期26.4%、2024年3月期28.0%、2025年3月期30.2%と上昇し、2026年3月期は66.1%に跳ね上がりました。純利益が-52.4%だったのに配当を維持したためで、配当総額は約141億円(純利益216億円の約65%)でした。これは方針で決めた水準ではなく、利益の落ち込みの結果です。2027年3月期の予想は32.3%に戻ります。
配当の持続性を、純利益が予想に届かない場合で試算します(当サイトの計算。配当総額は172円×約9,018万株、純利益÷EPSの逆算値で約155億円)。
| 純利益の水準 | 配当総額に対する割合 |
|---|---|
| 会社予想480億円 | 約32%(会社予想の配当性向32.3%) |
| 2026年3月期の損失除き460億円 | 約34% |
| 2026年3月期の実績216億円 | 約72% |
純利益が損失除きの水準(約460億円)にとどまっても、配当性向は約34%で、172円は維持できる範囲です。一方、純利益が前期実績216億円と同じなら約72%になり、前期の66.1%を上回ります。2026年3月期のように配当を維持できるかは、再エネ損失が再発するかどうかに左右されます。会社は「安定的な株主還元を継続し、利益成長に伴う増配を見込む」と記載しており、減配の方針は示していません。自社株買いは直近ほぼ行っていません(2026年3月期は100万円)。
6. 会社の現状と直近の動き
2027年3月期Q1の連結業績は、売上高2,012億円(前年同期1,725億円)、差引利益480億円(+24.9%)、売上総利益365億円(+22.2%)、営業利益197億円(+29.3%)、経常利益207億円(+11.2%)、四半期純利益140億円(+5.5%)、EPS155.45円(前年同期147.41円、+5.5%)でした(会社資料、単位は億円)。販管費は146億円から167億円(+22億円)に増えています。
セグメント別の差引利益は次のとおりです(単位は億円、増減率は会社資料の表記)。
| セグメント | 前年同期 | 当期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| リース | 221 | 267 | +21.2% |
| 割賦 | 3 | 3 | ▲0.9% |
| ファイナンス | 98 | 151 | +53.7% |
| その他(BPO等) | 62 | 59 | ▲6.1% |
| 合計 | 384 | 480 | +24.9% |
伸びの中心は、リース(不動産・モビリティ/ロジスティクスの伸長)とファイナンス(収益計上の寄与)です。一方、契約実行高は4,996億円から4,490億円(-10.1%)に減りました。リースの契約実行高は-20.7%(1,235億円→979億円)で、うちオペレーティング・リースが544億円から288億円(-47.1%)と大きく減っています。物件別では、建物等が437億円から231億円(-206億円)、輸送用機器が275億円から234億円に減りました。営業資産残高は2026年3月末32,531億円から2026年6月末32,088億円(-1.4%)で、ファイナンス・その他が12,946億円から12,679億円に、オペレーティング・リースが10,308億円から10,029億円に減っています。会社資料は「営業資産残高は資産回転が進む。物件売却益の計上もあり、ROAは上昇」と説明しています。
財務面では、2026年3月期の調達残高(有利子負債の相当額)は30,066億円(2025年3月末28,082億円から+1,984億円、+7.1%)です。会社資料は「営業資産の積み上げに伴う調達残高の拡大」と説明しており、営業資産残高の増加+1,809億円(+5.9%)とほぼ同じ規模です。内訳は短期借入金5,984億円、長期借入金15,996億円、CP2,920億円、債権流動化206億円、社債4,959億円で、長期調達比率は70.1%です(2025年3月末70.6%)。自己資本比率は2022年3月期11.3%から2025年3月期13.3%まで上がり、2026年3月期は13.1%でした。有利子負債÷自己資本のD/Eレシオは、2026年3月期で約5.98倍(自己資本は約5,027億円と概算)です。過去期のD/Eレシオは、自己資本の絶対額を一次情報で確認できていないため算出していません。2026年6月末の調達残高は29,969億円とやや減り、長期調達比率は70.9%でした。
キャッシュ・フロー(2026年3月期、IR BANK)は、営業CFが-1,649億円、投資CFが+11.7億円、財務CFが+1,718億円です。営業CFのマイナスは、営業資産の積み上げを借入で賄うリース会社の構造(§7)で、財務CFのプラスが調達の増加に対応します。
7. 業界とセクターの状況
リース会社の財務と利益は、個社の努力では変えられない次の制約に規定されます。
第一に、調達の構造です。リース会社は顧客に貸すリース資産や割賦債権を、借入金・コマーシャル・ペーパー・社債などで調達します。このため自己資本比率は一般の事業会社より構造的に低く、有利子負債が自己資本の数倍に達するのが通例です。当社の自己資本比率13.1%、D/Eレシオ約5.98倍も、この業態の標準的な姿であり、水準自体を経営の巧拙とは読めません。同じセクターのみずほリース(8425)は自己資本比率10.4%、D/Eレシオ7.9倍で、事業構成によって幅があります。
第二に、営業キャッシュフローが恒常的にマイナスになる構造です。営業資産を積み上げて成長するほど、リース債権や賃貸資産の増加が営業CFのマイナスとして表れます。当社の2026年3月期も営業CFは-1,649億円でしたが、これは財務CF+1,718億円で調達して営業資産を積み上げた結果で、業績悪化のサインではありません。見るべきは営業CFの符号ではなく、営業資産の質と調達の年限構成です。
第三に、金利が資金原価に先に効く点です。貸出やリース料への転嫁は契約更改まで時間がかかるため、金利上昇局面では利ざやが一時的に薄くなります。会社資料も「運用利回りの改善に取り組む一方、当面は調達コストの上昇が先行」と書いています。調達残高約3兆円に対し、調達利回りの0.1ポイントは年約30億円の資金原価に相当します。
第四に、資産売却益・持分法損益・海外案件の損失のぶれです。不動産や航空機などの売却益は計上時期が市況で決まり、再エネ関連のように海外の事業で損失が出ることもあります。四半期の経常利益は、この種の項目で動きます。同じセクターの三菱HCキャピタル(8593)も、アセット売却益や持分法損益が四半期利益を左右する点は共通です。
8. 今後のスケジュール
2027年3月期 第2四半期(中間) 決算発表
過去の発表時期からの推定(会社の発表予定日は未確認)。上期累計の経常利益の進捗(Q1は27.6%)、営業外損益の水準、SMTPFC持分法化の予想への織り込み有無、中間配当86円が焦点。
2027年3月期 第3四半期 決算発表
過去の発表時期からの推定。資金原価の増加幅と海外案件の追加損失の有無を確認する回。
2027年3月期 通期 決算発表
過去の発表時期からの推定。経常利益750億円・純利益480億円・配当172円の着地を確認する回。2028年3月期の予想で新中期経営計画の方向性も示される見込み。
2028年3月期 第1四半期 決算発表
過去の発表時期からの推定。SMTPFC(SMTBリース)の持分法損益が初めて通期の予想に反映された後の最初の四半期。
第2四半期以降の発表日は過去の傾向からの推定です。確定日は必ず同社のIRサイトで確認してください。
9. 想定されるカタリスト
発表日は会社の予定を未確認の推定。Q1の経常207億円(通期予想の27.6%)が上期でどこまで積み上がるか、Q1で10億円にとどまった営業外損益が回復するか、資金原価の増加幅が計画の範囲内かを見る。
取得価額は53,439百万円(アドバイザリー費用等550百万円を加えた概算53,989百万円)。2026年度に負ののれん相当額約140億円を持分法投資利益として計上する見通しだが、会社は「本日時点の見込みで大きく変動しうる」とし、現行予想(経常750億円)には未算入、影響は精査中。上振れ要因だが一過性の利益である点に注意。
3月決算で中間・期末の年2回。権利確定は9月末と3月末。中間86円は会社予想172円の半分で、実際の通知は中間決算の発表時。
2026年3月期に欧州(スペインの一部プロジェクト遅延に伴う債権329億円=営業貸付金43億円+営業投資有価証券286億円が対象)と北米で損失を計上した。2027年3月期予想にどこまで追加損失が織り込まれているかは資料から特定できない。
Q1の調達利回りは1.70%(前年同期1.33%)。会社は通期で2026年3月期を上回る調達コストの増加を見込み、「調達コストは計画の範囲内」としている。短期の政策金利動向は営業資産残高約3兆円の資金原価に先に効く。
10. 想定されるリスク
強み(§2)と同じ重さで、弱気材料を整理します。
海外案件での損失の再発。 2026年3月期の経常利益への影響は約334億円で、純利益ベースでは約244億円(損失除き460億円と実績216億円の差)です。2027年3月期の予想に追加損失がどこまで織り込まれているかは資料から特定できません。会社は2025年10月の予想修正時に「米国での再エネ分野における事業環境悪化のリスク等を織り込む」としていますが、同種の案件が残るか、また一部の航空機案件の損失が続くかは確認できていません。
回復予想の多くが反動で、実力ベースの上積みは小さい。 損失除きの経常利益716億円に対する予想750億円は+4.7%、営業利益は+0.9%です。予想が達成されても、実力が大きく伸びたことを意味しません。逆に、損失除きの水準から下振れすれば、「約2倍」の回復予想は崩れます。
営業外損益の遅れ。 Q1の営業外損益は10億円(前年同期34億円)で、通期予想の前提(営業外損益+50億円)に対して進捗20%です。営業利益の余裕で補えるかが焦点ですが、補えなければ経常利益750億円に届きません。
資金原価の上昇。 Q1の資金原価は+34.1%、調達利回りは1.70%(前年同期1.33%)で、会社は通期で2026年3月期(+75億円)を上回る増加を見込みます。調達残高約3兆円に対し、利回りが0.1ポイント高く推移すれば年約30億円の追加負担です。
営業資産と契約実行高の減少。 Q1は営業資産残高が-1.4%、契約実行高が-10.1%(オペレーティング・リースは-47.1%)でした。会社は資産回転が進んだことと物件売却益の計上を説明しますが、残高の減少が続けば、将来の差引利益の土台が細ります。
配当性向の跳ね上がりと、SMTPFC関連の不確実性。 純利益が前期実績216億円にとどまれば、配当性向は約72%に上がります。また、SMTPFCの取得価額約534億円(取得資金の調達方法は特定できず)が有利子負債で賄われれば、D/Eレシオは約6.09倍へ上がる計算です。約140億円の負ののれんは一時益で、継続的な収益力とは別に扱う必要があります。
11. まとめ:どう判断材料にするか
2027年3月期の経常利益予想750億円は、2026年3月期の382億円の約2倍です。ただし増加額368億円の約91%は、欧州・北米の再エネ関連損失(経常段階で約334億円)の剥落で、損失除きの716億円と比べた予想は+4.7%にとどまります。Q1は経常利益207億円(+11.2%)、営業利益197億円(+29.3%)と過去最高で、通期予想に対する進捗は経常27.6%・営業28.1%と順調です。一方、営業外損益は10億円と通期予想の前提(+50億円)に対して進捗20%、資金原価は+34.1%と先行して増えています。SMTPFCの持分法化で見込まれる約140億円の負ののれんは、現行予想に含まれない一時益です。
予想PER8.22倍・予想配当利回り3.93%・PBR0.78倍の水準を、どう見るかで評価が分かれます。
- 会社予想の回復を実力と見るなら、予想EPS532円に対するPER約8倍、配当性向32.3%の172円は、利益の裏づけが厚い水準と見る余地があります。損失除きの純利益460億円でも配当性向は約34%で、172円は維持できる範囲です。
- 損失の戻りであり、利益の質に割引が必要と見るなら、実力ベースの成長は+4.7%にとどまり、実績EPS239円で割ると約18倍、配当性向は前期66.1%で、表面の割安感は小さくなります。海外案件の再損失と金利上昇が、予想の前提を崩す可能性もあります。
分かれ目は、2027年3月期の経常利益が損失除きの水準(716億円)に営業外損益の回復を足して750億円に到達できるか、そして海外案件で追加の損失が出ないかです。次の確認ポイントは2026年11月上旬の中間決算で、経常利益の進捗(Q1は27.6%)、営業外損益の水準、SMTPFC持分法化の予想への織り込み有無、中間配当86円の4点を見ます。
この記事の見立てが外れたと判断する条件
以下のいずれかが起きた場合、本記事の整理は前提から崩れます。買うかどうかを判断する際は、 強気材料と同じだけこちらも見てください。
- 2026年11月の中間決算または2027年2月の第3四半期で、通期の経常利益予想750億円が下方修正された場合、または上期累計の経常利益が前年同期を下回った場合。「損失の剥落で750億円まで戻る」という本記事の整理が外れる。
- 再エネ・航空機など海外案件で、2026年3月期の再エネ関連損失334億円に近い規模の追加損失が再び計上された場合。損失の再発は一過性ではなく構造的な問題だったことを意味し、「損失除きの実力716億円」を基準にする見方が成り立たなくなる。
- 中間配当が予想の86円から減額された場合、または通期配当予想172円が引き下げられた場合。2026年3月期に純利益が半減しても158円を維持した実績にもとづく「配当は利益のぶれに対して粘る」という見立てが外れる。
- Q1で10億円(前年同期34億円)にとどまった営業外損益が、上期累計でも前年同期を大きく下回り続け、通期予想が前提とする営業外損益+50億円(経常750億円-営業利益700億円)を下回る見通しになった場合。営業段階の好調が経常段階に届かないという弱気側の整理が強まる。
- 営業資産残高が前期末32,531億円から減り続け(Q1末は32,088億円・-1.4%)、契約実行高がさらに前年を下回る(Q1は4,490億円・-10.1%)場合。資金原価の増加分を差引利益の伸びで吸収できなくなり、Q1の増益が持続するという見立てが外れる。
よくある質問
- 芙蓉総合リース(8424)の配当は100株でいくらになりますか?
- 会社予想の2027年3月期の年間配当は1株172円(中間86円・期末86円)で、100株なら年17,200円(中間8,600円・期末8,600円、税引前)です。前期(2026年3月期)実績は158円(中間79円・期末79円)で、100株あたり15,800円でした。2025年4月1日に1株を3株へ分割しており、過去の配当は分割後の株数に調整した値です。配当は3月決算で、権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- 芙蓉総合リース(8424)は2026年3月期になぜ経常利益が約45%も減ったのですか?
- 経常利益は690億円から382億円(-44.6%)に減りました。会社資料は、海外(欧州・北米)の再エネ関連損失の影響が主因とし、損失を除いた経常利益は716億円だったと説明しています。影響額は経常段階で約334億円(716億円-382億円)です。2025年10月23日の開示では、欧州の再エネ事業の資金調達会社向け債権(営業貸付金43億円と営業投資有価証券286億円の合計329億円)に取立不能または取立遅延のおそれが生じたことが示されています。第4四半期には北米の再エネ関連損失も計上しました。損失の細かい内訳は資料の図表の対応を確認し切れなかったため、ここでは合計額のみ記載します。
- 2027年3月期の経常利益750億円は、本当に前期の約2倍に回復する実力があるのですか?
- 予想750億円は前期382億円の約2倍(+96.1%)ですが、会社が示す「再エネ損失を除く経常利益」716億円と比べると+4.7%にすぎず、増加額の約91%は損失の剥落です。第1四半期は経常利益207億円(+11.2%)で通期予想の27.6%まで進みましたが、営業外損益が10億円(前年同期34億円)と弱く、経常の進捗は営業利益(28.1%)をやや下回ります。会社予想には、2026年7月に契約したSMTPFCの持分法化に伴う約140億円の一時的な利益は含まれていません。
参考文献・引用元
- 01芙蓉総合リース株式会社「2027年3月期 第1四半期 決算概要」(決算説明資料)
2026年7月30日開示。4ページ(連結業績の前年同期比)、5〜6ページ(差引利益・経常利益の増減要因)、7ページ(資金原価と調達利回り・調達残高)、8ページ(営業資産残高・契約実行高)、10ページ(通期業績予想・配当予想、SMTPFC影響を精査中との注記)、12〜16ページ(参考資料: 損益計算書、セグメント別、営業資産、契約実行高、物件別実行高)を参照。決算短信そのものは取得できなかったため、本記事の数値は決算概要資料(一次情報)にもとづく(単位は億円)。 / 2026/07/30 開示
- 02芙蓉総合リース株式会社「2026年3月期 決算概要」(決算説明資料)
2026年5月12日開示。4ページ(連結業績、再エネ損失影響額と損失除きの数値、修正後予想比)、5〜6ページ(差引利益・経常利益の増減要因)、7ページ(調達残高・資金原価・調達利回り、2027年3月期の調達コスト見通し)、8ページ(営業資産残高・契約実行高)、10〜11ページ(2027年3月期予想・配当方針)、13〜14ページ(参考資料)を参照。決算短信は取得できなかった。 / 2026/05/12 開示
- 03芙蓉総合リース株式会社「三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社の共同事業化および株式取得(持分法適用関連会社化)に関する契約締結のお知らせ」
2026年7月30日開示。出資比率(三井住友信託銀行45%・当社40%・横浜FG15%)、取得価額53,439百万円とアドバイザリー費用等550百万円、実行予定日2026年10月1日、2026年度に負ののれん相当額約140億円を持分法投資利益として計上する見通し(見込みで大きく変動しうる)、SMTPFCの連結財務数値(2024年3月期〜2026年3月期)を参照。 / 2026/07/30 開示
- 04芙蓉総合リース株式会社「2026年3月期通期業績と前期実績との差異に関するお知らせ」
2026年5月12日開示。2026年3月期と2025年3月期の連結業績(売上高・営業利益・経常利益・当期純利益)の短信ベースの実績値を参照。 / 2026/05/12 開示
- 05芙蓉総合リース株式会社「債権の取立不能又は取立遅延のおそれに伴う損失計上ならびに通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」
2025年10月23日開示。欧州の再エネ事業向け債権(営業貸付金43億円・営業投資有価証券286億円の計329億円、連結純資産の6.2%)の経緯、2026年3月期の通期予想の修正(営業利益66,000→34,000百万円、経常利益70,000→38,000百万円、純利益46,000→17,000百万円)を参照。 / 2025/10/23 開示
- 06IR BANK「芙蓉総合リース(8424) 会社業績・財務状況」
二次情報。2022年3月期〜2024年3月期の売上高・営業利益・経常利益・純利益、EPS(株式分割調整後)、自己資本比率、2026年3月期のキャッシュ・フロー(営業CF-1,649億円・投資CF+11.7億円・財務CF+1,718億円)の時系列に使用。2025年3月期・2026年3月期の値は会社開示を優先した。
- 07IR BANK「芙蓉総合リース(8424) 配当金の推移」
二次情報。2022年3月期〜2027年3月期の期初予想・実績(中間・期末)・配当性向の履歴と、2026年3月期の配当総額(約141億円、キャッシュ・フロー計算書ベース)に使用。配当はすべて2025年4月1日の1:3株式分割後の株数に調整した値。
- 08株価・時価総額・予想PER等(2026年10月1日時点、IR BANK)
二次情報。時価総額3,974億円、予想PER8.22倍、PBR、予想配当利回り3.93%、予想ROE9.39%、予想ROA1.25%の表示値。株価4,375円は、会社予想配当172円÷予想配当利回り3.93%からの当サイトの逆算値で、取引所の終値そのものではない。BPS5,575.1円は2026年3月期末(自己資本÷株式数)。有利子負債は会社資料の調達残高30,066億円、D/Eレシオ約5.98倍はこれを自己資本(BPS×株式数から概算した約5,027億円)で割った当サイトの概算。