KDDI(9433)を10年持てるか — 増配23期連続の原資は利益成長だけではない
本記事をお読みになる前に
本記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は有価証券報告書等の公開情報にもとづく分析ですが、正確性・完全性を保証するものではなく、将来の株価や業績を約束するものでもありません。投資判断は必ずご自身で情報を確認し、責任をもって行ってください。本記事はあくまで参考情報としてご利用ください。
生成AI利用本記事は、決算短信・有価証券報告書などの一次情報をもとに、生成AIを用いて作成・編集しています。掲載する数値は一次情報との照合を行っていますが、誤りが含まれる可能性を排除できません。重要な数値は必ず出典元の原典でご確認ください。
KDDI株式会社
2026/08/07 時点
株価
2,981円
配当利回り
2.82%
年間84円
PER
15.2倍
PBR
2.24倍
ROE
13.9%
ROA
3.7%
純利益ベース
自己資本比率
26.6%
配当性向
42.8%
※ 指標は記事執筆時点のスナップショットです。最新の数値はご自身で証券会社等の情報をご確認ください。
この記事の結論
- 2017年3月期から2026年3月期までの9年間で、1株配当は42.5円から80.0円へ+88.2%(年率7.28%)伸びた。一方で親会社の所有者に帰属する当期利益は546,658百万円から707,112百万円への+29.3%(年率2.90%)にとどまる。増配のペースは利益成長のペースの3倍近い。
- 差を埋めているのは2つある。1つは自社株買いで、自己株式を除いた株数は分割調整後で約49.2億株から約38.1億株へ22.6%減った。もう1つは配当性向の引き上げで、38.3%から43.6%へ上がっている。増配の伸びを分解すると、利益成長がおよそ4割、株数の減少がおよそ4割、配当性向の引き上げがおよそ2割の寄与になる。
- 不況局面での実績は強い。リーマンショック後の2010年3月期は利益が-4.4%と小幅に減っただけで減配はなく、コロナ禍の2021年3月期はむしろ増益・増配だった。増収は9年連続、増配も9年連続で、増益だけが7勝2敗である。
- ただし2024年3月期には営業利益が-12.9%の二桁減益となり、そのときも増配を維持した結果、配当性向は43.4%から49.4%へ上昇した。増配記録を優先すると減益時に配当性向が跳ね上がるという関係が、実績として一度確認できている。
- 最も注意すべきは財務構造の変化である。自己資本比率は2019年3月期の57.1%から2026年3月期の26.6%へ低下し、有利子負債は同期間で約1.19兆円から約5.38兆円へ増えた。総資産も7.33兆円から19.1兆円へ膨らんでいる。本記事で確認した一次情報からは、この増加が金融事業の資産拡大によるものか通信インフラ投資によるものかを特定できなかった。
目次11項目
1. 10年の要約
KDDIを10年単位で持てるかを判断するために、2017年3月期から2026年3月期までの10期を並べました。まず結論に直結する4つの数字です。
| 項目 | 2017年3月期 | 2026年3月期 | 変化 | 年率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,748,259百万円 | 6,071,915百万円 | +27.9% | +2.77% |
| 営業利益 | 912,976百万円 | 1,099,125百万円 | +20.4% | +2.08% |
| 親会社帰属当期利益 | 546,658百万円 | 707,112百万円 | +29.3% | +2.90% |
| 1株配当 | 42.5円 | 80.0円 | +88.2% | +7.28% |
配当だけが利益の3倍近いペースで伸びています。 この記事が扱うのは、その差がどこから来ているのか、そして同じことをあと10年続けられるのか、という一点です。
1株配当はすべて2025年4月1日の株式分割(1株→2株)の調整後で記載しています。各期の決算短信に載る生の数値は、2025年3月期まではこの2倍です。
2. 事業の持続性 — 10年後もこの事業はあるか
KDDIは「au」ブランドの携帯通信を中核に、法人向けIT、金融・決済(au PAY、auじぶん銀行)、エネルギーなどへ展開する総合通信会社です。10年スパンで見たときの持続性は、次の2点で評価できます。
契約者から毎月受け取る通信料という収益の形は、10年後も残っている可能性が高いと考えられます。通信インフラは生活基盤であり、需要が消える種類の事業ではありません。実際、直近9年間は一度も減収していません。
一方、成長の余地は国内の契約数の伸びからは出てこないという制約があります。普及が一巡した市場で年率2.77%の増収を続けてきたのは、非通信領域の上積みによる部分が大きいと考えられます。この構造が続くかどうかが、次の10年の増収ペースを決めます。
3. 10期の業績推移 — 増収増益の打率
9回の前年比較で、増収・増益・増配がそれぞれ何回あったかを数えました。
| 項目 | 増加した回数 | 打率 |
|---|---|---|
| 売上高 | 9回 / 9回 | 10割 |
| 営業利益 | 7回 / 9回 | 7割8分 |
| 親会社帰属当期利益 | 7回 / 9回 | 7割8分 |
| 1株配当 | 9回 / 9回 | 10割 |
増収と増配は一度も途切れていませんが、増益は2回止まっています(2023年3月期と2024年3月期)。連続増配という言葉から受ける印象より、利益の動きは平坦です。
過去の数字は後から変わることがある
この10期を並べる作業で、2023年3月期から2025年3月期の数値が、後年の開示で遡及的に修正されていることが分かりました。2024年3月期を例に取ります。
| 出所 | 売上高 | 営業利益 | 親会社帰属当期利益 |
|---|---|---|---|
| 2024年3月期の決算短信(当時) | 5,754,047 | 961,584 | 637,874 |
| 後年の開示(本記事が採用) | 5,699,700 | 912,031 | 600,281 |
単位は百万円です。親会社帰属当期利益で約6%の差があります。2025年3月期についても、当時の短信の5,917,953百万円・685,677百万円が、翌期の開示では5,835,525百万円・655,416百万円に変わっています。
修正の理由は、本記事で確認した決算短信の記載からは特定できませんでした。 本記事の表には後年の開示にもとづく修正後の数値を採用し、系列としての一貫性を優先しています。長期の推移を自分で作るときは、古い決算短信の数字をそのまま並べると現在の開示と食い違うことがある、という点に注意してください。
4. 増配の原資はどこから来ているか
ここがこの記事の中心です。1株配当が利益の3倍近いペースで伸びた理由を分解します。
1株配当は、利益・株数・配当性向の3つで決まります。
1株配当 = 利益 ÷ 株数 × 配当性向
9年間でそれぞれがどう動いたかを見ます。
| 要素 | 2017年3月期 | 2026年3月期 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 親会社帰属当期利益 | 546,658百万円 | 707,112百万円 | 1.29倍 |
| 株数(自己株式を除く) | 約49.2億株 | 約38.1億株 | 0.77倍 |
| 配当性向 | 38.3% | 43.6% | 1.14倍 |
| 1株配当 | 42.5円 | 80.0円 | 1.88倍 |
検算すると、1.29 × (1÷0.77) × 1.14 ≒ 1.90 となり、実際の1.88倍とほぼ一致します。つまり増配は次の3つで説明がつきます。
- 利益成長 … 寄与およそ4割
- 自社株買いによる株数の減少 … 寄与およそ4割
- 配当性向の引き上げ … 寄与およそ2割
利益成長で説明できるのは半分未満です。 株数は2017年3月期末の約49.2億株(分割調整後、自己株式控除後)から2026年3月期末の約38.1億株へ、9年で22.6%減りました。起点は2018年5月開示の決算短信の発行済株式数と自己株式数、終点は2026年8月開示の第1四半期決算短信の数値です。
この3つは同じようには続かない
配当性向の引き上げには天井があります。 38.3%から43.6%まで使ったので、残りの余地は限られます。50%を超えると、利益の半分以上を配当に回すことになります。
自社株買いは利益から出す支出です。 株数を減らせばEPSは上がりますが、その原資は稼いだ現金であり、無限に続けられるものではありません。ただし配当性向の引き上げと違って、利益が伸び続ける限りは継続できる性質のものです。
利益成長だけが、理屈のうえで制約なく続けられます。 そしてその実績が年率2.90%です。仮に自社株買いも配当性向の引き上げも止めた場合、増配のペースはこの水準に落ちる、というのが素直な読み方になります。
5. 不況期に何が起きたか
10年20年持つなら、不況を複数回またぎます。過去の実績を見ます。
| 局面 | 利益の変化 | 配当の対応 | 回復 |
|---|---|---|---|
| リーマンショック後(2010年3月期) | -4.4% | 減配なし。支払総額は491億円→534億円と増加 | 翌期に増益 |
| コロナ禍(2021年3月期) | +1.8% | 増配(57.5円→60円) | 減益なし |
| 2024年3月期 | 営業利益 -12.9% | 増配を維持(67.5円→70円) | 翌期に増益 |
本記事が確認した2008年3月期以降の範囲で、減配は一度もありませんでした。 リーマンショックもコロナ禍も、KDDIの利益をほとんど揺らしていません。通信料という収益の形が景気に左右されにくいことの裏づけになります。
注目すべきは3つ目です。 2024年3月期は営業利益が二桁減った期ですが、増配は維持されました。その結果、配当性向は43.4%から49.4%へ跳ね上がっています。
これは「増配記録を優先すると、減益時に配当性向が上がる」という関係が実績として一度確認できたということです。次に大きな減益が来たとき、同じ判断をすれば配当性向はさらに上がります。§4で見た「配当性向の余地は限られる」という話と、ここは直結しています。
6. 財務の耐久力
営業キャッシュ・フローの厚みは、10年単位で見ても十分です。
| 期 | 営業CF | 配当金の支払総額 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 1,161,074百万円 | 1,856億円 | 6.3倍 |
| 2026年3月期 | 約1.79兆円 | 3,015億円 | 約5.9倍 |
営業キャッシュ・フローは9年連続で1兆円を超えており、配当総額の6倍前後を保っています。 フリーキャッシュ・フローも確認できた全期でプラスです。配当を賄う原資という点では厚みがあります。
ただし、貸借対照表は大きく変わった
| 期 | 総資産 | 自己資本比率 | 有利子負債 |
|---|---|---|---|
| 2019年3月期 | 7.33兆円 | 57.1% | 約1.19兆円 |
| 2022年3月期 | 11.1兆円 | 45.0% | 約1.60兆円 |
| 2024年3月期 | 14.1兆円 | 36.9% | 約2.39兆円 |
| 2026年3月期 | 19.1兆円 | 26.6% | 約5.38兆円 |
自己資本比率は7年で57.1%から26.6%へ、半分以下になりました。 有利子負債は約4.5倍、総資産は2.6倍です。自己資本比率と有利子負債の見方は自己資本比率と有利子負債、負債資本比率で扱っています。
この変化の中身を、本記事で確認した一次情報からは特定できませんでした。 KDDIは銀行・決済を含む金融事業を持っており、銀行子会社を連結すると預金が負債・貸出金が資産として計上されるため、通信事業の借入が増えたのとは意味が違う可能性があります。しかし決算短信の主要数値だけではその内訳が分かりません。
10年持つかを判断するうえで、これは最大の未確認事項です。 次回の更新では有価証券報告書のセグメント情報と注記まで踏み込んで、この内訳を確認することを課題とします。
7. 10年スパンで何が変わりうるか
国内の契約数はすでに頭打ちです。 通信料収入の伸びを人口や契約数に期待できない以上、増収は非通信領域か単価の上昇に依存します。
料金への政策的な関与が繰り返される可能性があります。 携帯料金は過去に政府の値下げ要請が業績に影響した経緯があり、価格決定が完全に会社の裁量にあるわけではありません。10年のうちに再び同種の圧力がかかる可能性は否定できません。
金利の水準が10年一定である保証はありません。 有利子負債が約5.38兆円まで増えた状態では、金利上昇は金融費用として損益に効いてきます。自己資本比率の低下と合わせて、10年前とはこの点の感応度がまったく違います。
設備投資は止められません。 次世代規格への対応は継続的な支出を必要とし、この支出を絞って配当に回すという選択は長期的には競争力を損ないます。
8. 株主還元方針と、そこから読めること
会社は「増配23期連続」を公表しており、2027年3月期の予想(年間84.00円、中間42円・期末42円)もこの記録を継続する計画です。
配当性向の目標値については、本記事で確認した決算短信からは方針の明文を確認できませんでした。 実績としての配当性向は次のように推移しています。
| 期 | 2017/03 | 2020/03 | 2023/03 | 2024/03 | 2026/03 |
|---|---|---|---|---|---|
| 配当性向 | 38.3% | 41.7% | 43.4% | 49.4% | 43.6% |
40%台前半を中心に、減益期だけ跳ね上がるという形です。ここから読めるのは、会社が配当性向という比率よりも増配の継続そのものを優先している、という行動様式です。株主にとっては予測しやすい一方、利益が落ちたときの調整弁が配当性向になることを意味します。
同じ通信3社でも還元の姿勢は違います。比較は通信3社(NTT・KDDI・ソフトバンク)比較で扱っています。
9. 長期保有を取り崩す可能性がある要因
10年持つつもりで買った場合に、途中で判断を変える必要が出てくるのは次のような場合です。
自社株買いが止まったとき。 増配の寄与のおよそ4割を担っているので、これが止まれば増配ペースは利益成長の年率3%程度まで落ちます。株価がその前提で買われていた場合、影響は配当だけにとどまりません。
配当性向が50%台で定着したとき。 2024年3月期に一度49.4%まで上がっています。これが常態になれば、増配の原資として使える余地はほぼ無くなります。
自己資本比率の低下が通信事業側の要因だと判明したとき。 §6で述べたとおり、現時点では内訳を特定できていません。金融事業の連結による見かけ上の低下であれば大きな問題にはなりませんが、そうでない場合は財務の耐久力の評価をやり直す必要があります。
2期以上続けて減益になったとき。 過去2回の減益はいずれも翌期に回復しています。この回復力が失われた場合、増配の継続は配当性向の引き上げだけで支えることになります。
10. リスク
増配記録そのものが判断を歪める可能性。 23期連続という記録は、会社にとって守る動機が強く働きます。守るために配当性向を上げ続ければ、いずれ利益の裏づけを欠いた配当になります。記録の継続を安心材料として読むと、この順序が逆になります。
財務レバレッジの上昇。 自己資本比率26.6%は10年前の半分以下です。ROE 13.93%という数字も、自己資本が薄くなったことの影響を含みます。ROEとROAで述べたとおり、ROEの高さを収益力の高さと読み替えることはできません。
国内市場への集中。 収益の大半を国内で得ているため、日本の人口動態と規制環境の影響を直接受けます。地理的な分散はありません。
本記事のデータの制約。 有利子負債・総資産の長期推移は二次情報(IR BANK)にもとづいています。2017年3月期〜2022年3月期および2025年3月期・2026年3月期については決算短信の実数と一致することを確認しましたが、2023年3月期・2024年3月期の修正後の数値は短信で直接確認できていません。
11. まとめ — どういう投資家に向くか
10年持てるかという問いに対して、実績の面では強い材料が揃っています。 増収9年連続、増配9年連続、不況期にも減配なし、営業キャッシュ・フローは配当総額の6倍前後。事業が消える種類のものでもありません。
一方で、増配のペースは利益成長のペースではありません。 年率7.28%の増配に対し、利益成長は年率2.90%です。差を埋めてきた自社株買いと配当性向の引き上げは、どちらも無限には続きません。
判断の分かれ目は2つです。
| 論点 | Aと見るなら | Bと見るなら |
|---|---|---|
| 増配の原資の6割が利益成長以外 | 資本効率を高める経営として評価できる。自社株買いは利益が続く限り継続できる | 利益成長が年率3%の会社であり、増配ペースはいずれ鈍化する |
| 自己資本比率57.1%→26.6% | 金融事業の連結による見かけ上の低下で、通信事業の財務は健全 | 財務レバレッジが実質的に上がっており、金利上昇局面での耐性が落ちた |
Aで見るなら、年率3%の利益成長でも資本政策で株主還元を伸ばし続ける会社として、長期保有に向きます。Bで見るなら、増配記録が続いているうちに前提が変わっている会社ということになります。 本記事はどちらが正しいかを決めるものではありません。分かれ目がここにあることを示すのが目的です。
なお、この記事は年に1回、通期決算の発表後に更新する予定です。次回はまず、§6で特定できなかった総資産と有利子負債の増加の内訳を、有価証券報告書まで遡って確認します。
この記事の見立てが外れたと判断する条件
以下のいずれかが起きた場合、本記事の整理は前提から崩れます。買うかどうかを判断する際は、 強気材料と同じだけこちらも見てください。
- 自社株買いの規模が縮小し、株数の減少が止まった場合。増配の寄与のおよそ4割が失われるため、利益成長のペース(年率3%程度)を大きく超える増配は続けられなくなる。
- 配当性向が50%を超えて定着した場合。2024年3月期に一度49.4%まで上がった実績があり、その水準が常態になれば「配当性向の引き上げ」という増配の原資は使い切られたことになる。
- 自己資本比率の低下が通信事業側の借入増によるものだと判明した場合。本記事は金融事業の連結による可能性を排除できていないため、その前提が崩れる。
- 営業利益が2期以上続けて減益となった場合。本記事は「増益は7勝2敗だが減益は単年で回復している」という実績にもとづいて持続性を評価しており、連続減益はその前提を崩す。
- 会社が減配または配当据え置きを決めた場合。増配記録を優先してきた行動様式そのものが変わったことを意味する。
よくある質問
- KDDIは何期連続で増配していますか?
- 会社は「増配23期連続」と公表しており、2027年3月期の配当予想(年間84.00円)もこの記録を継続する計画です。ただし増配の中身を見ると、2017年3月期からの9年間で1株配当は+88.2%伸びた一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は+29.3%の伸びにとどまります。差は自社株買いによる株数の減少(約22.6%減)と、配当性向の引き上げ(38.3%→43.6%)で埋められています。
- KDDIは長期保有に向いていますか?
- 判断材料としては、増収9年連続・増配9年連続・不況期にも減配なしという実績があり、営業キャッシュ・フローは9年連続で1兆円を超え配当総額の3倍以上あります。一方で、増配の原資の約6割が利益成長以外(自社株買いと配当性向の引き上げ)であること、自己資本比率が57.1%から26.6%へ低下していることが確認できます。どちらを重く見るかで結論は変わるため、本記事は判断材料の提示にとどめています。
- KDDIは過去に減配したことがありますか?
- 本記事が確認した2008年3月期以降の範囲では、減配は確認できませんでした。リーマンショック後の2010年3月期は利益が-4.4%と小幅に減りましたが配当金の支払総額は増えており、コロナ禍の2021年3月期は増益・増配でした。2024年3月期は営業利益が-12.9%の二桁減益となりましたが、このときも増配を維持しています。
- KDDIの自己資本比率が下がっているのはなぜですか?
- 自己資本比率は2019年3月期の57.1%から2026年3月期の26.6%へ低下し、同期間で有利子負債は約1.19兆円から約5.38兆円へ、総資産は7.33兆円から19.1兆円へ増えています。本記事で確認した決算短信からは、この増加が金融事業(銀行・決済)の資産拡大によるものか、通信インフラ投資によるものかを特定できませんでした。銀行子会社を連結すると預金が負債・貸出金が資産として計上されるため、通信事業の借入増とは意味が異なる可能性があります。
参考文献・引用元
- 01KDDI株式会社「平成30年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
2018年5月10日開示。2017年3月期・2018年3月期の売上高・営業利益・親会社の所有者に帰属する当期利益・自己資本比率・BPS・営業CF・配当の状況・配当性向、および期末発行済株式数と期末自己株式数を参照。株数の起点はこの数値。 / 2018/05/10 開示
- 02KDDI株式会社「2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
2019年3月期・2020年3月期の売上高・営業利益・親会社帰属当期利益・自己資本比率・BPS・営業CF・配当の状況を参照。
- 03KDDI株式会社「2022年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
2021年3月期・2022年3月期の売上高・営業利益・親会社帰属当期利益・自己資本比率・BPS・営業CF・配当の状況を参照。
- 04KDDI株式会社「2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
2023年3月期・2024年3月期の当時の開示値を参照。**本記事の financials に入れた2023年3月期〜2025年3月期の数値は、後年の開示で遡及修正された値であり、この短信の数値とは異なる**(§3で詳述)。修正前後の対比のために参照した。
- 05KDDI株式会社「2025年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
2025年3月期の当時の開示値(売上高5,917,953百万円・親会社帰属当期利益685,677百万円)を参照。翌期の開示では5,835,525百万円・655,416百万円に修正されている。
- 06KDDI株式会社「2027年3月期 第1四半期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
2026年8月7日開示。2026年3月期の確定値、2027年3月期の業績予想と配当予想(年間84.00円)、期末発行済株式数4,007,450,967株・期末自己株式数200,111,982株を参照。株数の終点はこの数値。 / 2026/08/07 開示
- 07IR BANK「KDDI(9433) 決算まとめ」
二次情報。2023年3月期〜2025年3月期の遡及修正後の数値、2008年3月期〜2016年3月期のリーマンショック期の利益推移、有利子負債・株主資本比率の長期推移、分割調整後の1株配当と配当性向の系列を参照。**2017年3月期〜2022年3月期と2025年3月期・2026年3月期については、上記の決算短信の実数と一致することを確認済み。**